2022年05月10日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが大統領就任式に出席。新しく尹政権がスタートしました。
前政権が残した負の遺産はあまりにも大きく、経済状態も悪くなっていますから、先が思いやられます。去って行く者はいつだって美しく、文在寅さんは「あー終わった、終わった」※で済むかもしれませんが、後をなんとかしなければならない尹政権は大変です。
まだ組閣もできない状況!
そもそも、『共に民主党』の卑劣極まりない遅滞戦術によって、組閣ができていません。
先にご紹介したとおり、第一に国務総理(=首相)が任命できないとお話にならないのですが、指名した韓悳洙(ハン・ドクス)さんの国会承認がなされていません。
韓悳洙(ハン・ドクス)さんは盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領時代に国務総理を務めた経験があるので、進歩派・左派の『共に民主党』も飲みやすい人物のはずなのですが、国会の人事聴聞会で提出すべき書類が足りない、高額の所得を得ていたなどの難癖をつけ、いじめました。
まだ国会での承認プロセスにも入っていないのです。
尹錫悦(ユン・ソギョル)さんは韓悳洙(ハン・ドクス)さんに電話をかけ、「尹政権での国務総理は韓悳洙(ハン・ドクス)さんしかいない」と励まし、最悪現時点では国務総理なしでもよし――としていますが、どこまで頑張れるかです。
05月10日、尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領は、1号案件として韓悳洙(ハン・ドクス)さんを国務総理に任命する同意案に署名しました。しかし、これが国会でどうなるのかは分かりません。
人事聴聞会で嫌がらせの限りを尽くす
また、各政府機関の長官候補も国会の人事聴聞会でひどい嫌がらせを受けています。例えば、法務部長官に指名された韓東勳(ハン・ドンフン)さんは、なんとのべ17時間30分におよぶ質疑応答を続けさせられました(終わったのは10日の午前03時30分)。
しかも、長女についての疑惑を根掘り葉掘り追及されたのです。
ただ、韓東勳(ハン・ドンフン)さんもやられっぱなしではありません。娘について根も葉もないウワサを事実として喧伝した――と『ハンギョレ新聞』を告訴するなど法的手段に訴えています。
傑作なのは、人事聴聞会で『共に民主党』議員が、「そのような告訴をすればメディアを萎縮させることになる。告訴を取り下げるつもりはないのか?」などと聞いたことです。
言論の自由を奪うようなメディア規制法を強行採決しようとしたくせに、このような発言がよくできたものです。
しかし、韓東勳(ハン・ドンフン)さんの回答も奮っています。
「私がこれまで弾圧を受ける過程でさまざまな告訴、告発を行ったが、長官候補になった後は最大限自制する」としましたが、続けて「前例を見ても、(文在寅)大統領も国民を告訴したが、だからといって公務遂行ができなかったわけではない」と正面切って反論したのです。
2019年に文大統領を批判するビラを国会前で散布したキム・ジョンシクさんが、2020年04月「侮辱罪」で起訴されました。
こういう面でも文政権は最低だったわけですが、見事にブーメンとなりました。
結局、この韓東勳(ハン・ドンフン)さんの聴聞会は長いだけ無駄で、『共に民主党』は韓東勳(ハン・ドンフン)さんへの疑惑についてなんら得点を挙げることはできませんでした。
最初から韓東勳(ハン・ドンフン)さんを法務部長官にしたくないの一心で行っているのですから、卑劣極まりないといえます。
韓東勳(ハン・ドンフン)さんの例は極端ですが、どの長官候補も似たり寄ったりの目に遭っています。韓国らしいといえばそれまでかもしれませんが、韓国の政局は早くもグダグダの様相を呈しているのです。
次の選挙で勝つしかない!
尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領にとっては早くも背水の陣です。後はありません。
尹錫悦(ユン・ソギョル)さんとしては味方は国民の声だけです。先にご紹介したとおり、全国同時地方選挙が06月01日に行われます。ここで『国民の力』が勝てば、『共に民主党』の力を大きく削ぐことができるでしょう。2024年の国会議員選挙につなげることも可能です。
負けたら……就任1カ月もたたずに、早くもレイムダックに陥るかもしれません。
韓国の皆さんは来る06月01日、どのような審判をくだすでしょうか。読者の皆さまもぜひご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)