アメリカ合衆国が香港への優遇措置を撤廃しようと動いていますが、これが韓国の輸出にも大きな影響を与える可能性があります。
韓国は輸出一本で持っている国ですので、輸出が減少すると国が傾きます。
金額の多い「韓国の輸出相手国」Top5は以下のようになります(2018年)。
国 | 金額 | 前年比 | |
第1位 | 中国 | 1,621億2,500万ドル | 14.1%増 |
第2位 | アメリカ合衆国 | 727億2,000万ドル | 6.0%増 |
第3位 | ベトナム | 486億2,200万ドル | 1.8%増 |
第4位 | 香港 | 459億9,600万ドル | 17.6%増 |
第5位 | 日本 | 305億2,900万ドル | 13.8%増 |
⇒参照・引用元:『JETRO』「2019年版 ジェトロ世界貿易投資報告」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/gtir/2019/04.pdf
なぜ、中国本土と香港が分かれているかといいますと、これがまさに合衆国が採用している優遇措置のおかげなのです。中国本土に直接輸出するのではなく香港を経由した方が都合が良い場合が少なくないのです。金融システムの安定、物流インフラの整備状況など、香港を使うメリットは非常に大きいのです。
直裁で最も大きなメリットは関税です。
もし香港が優遇措置を喪失すれば、合衆国が中国本土に課しているのと同じ25%の追加関税を負担しなければなりません。
香港への輸出の70%を占める「半導体」が危ない!
それでなくても懸念されるのは「半導体」の輸出です。実は、香港に輸出される品目のうち金額ベースでは70%が「半導体」なのです。
合衆国は半導体のサプライチェーンを組み換えようとしており、また中国に半導体を供給しないように圧迫を強めています。早晩、韓国による中国への半導体供給がやり玉に挙げられる可能性は高いのです。
⇒参照・引用元:『KITA.NET』「香港の保安法関連、米中対立と韓国の輸出の影響」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
――というわけで、韓国の輸出先第4位の「香港」との取引が危うくなっています。
日本とはすでにもめていますし、上掲リストの下から順番に燃えだしている模様です。「アメリカ合衆国と中国を選べる立場だ」なんて脳天気に喜んでいる場合ではないと思われるのですが、大丈夫でしょうか。
ヘタを打つと新冷戦に巻き込まれて香港への輸出約459億ドルがパーになる可能性だってあるのです。
(柏ケミカル@dcp)