オーストラリアが中国との貿易による利益を度外視して、反中国の姿勢を取っており、これに怒った中国がオーストラリアに圧力を加え、さらに両国の関係が悪化するというスパイラルに入っています。
これにカナダが加わるかもしれません。
カナダは中国との自由貿易交渉から下りた
2020年09月18日、カナダ外務大臣であるフランソワ・フィリップ・シャンパーニュさん(Francois-Philippe Champagne) は新聞のインタビューに答え「『ファーウェイ』(Huawei:華為技術)幹部の逮捕への明らかな報復としてカナダ人2名が拘束されるという状況になり、両国の関係が悪化。自由貿易交渉は1年以上停滞していたが、この交渉から離脱する」旨を述べました。
この自由貿易交渉は「世界第2位の経済大国となった中国と最初に自由貿易協定を結んだG7国家」という栄誉を目指したものだったのですが、これが完全に頓挫したことになります。
拘束されているカナダ人2人を取り返さないと!
世界中を驚かせた、『ファーウェイ』最上位幹部ともいえる孟晩舟CFOの逮捕、アメリカ合衆国への引き渡し要求、という一連の騒動はまだ続いています。
合衆国は、逮捕された孟晩舟CFOを「銀行詐欺の容疑」「イランに対する制裁違反」で引き渡し要求を行っていますが、カナダの司法当局は引き渡しを是認していません。
しかし、この逮捕によって、中国当局により元カナダ外交官のマイケル・コビックさん(Michael Kovrig)と実業家のマイケル・スペーダーさん(Michael Spavor)がスパイ行為の疑いで拘束されてしまいました。
中国当局による明らかな報復措置ですが、この2人もまだ解放されていません。
シャンパーニュ外相は「2人を家に帰すことが最優先事項だ」と述べています。
カナダもまたオーストラリアと同じく「中国が重要な貿易相手国」(合衆国に次ぐ2番目)ではありますが、やはり中国のやり口には「交渉から下りるしかなかった」のです。
この先、カナダが中国に対してどのような姿勢を見せるのかは注目に値するでしょう。
(柏ケミカル@dcp)