『サントリー』が「阪神高速道路」を買う!みたいな話
日本でも有名な「茅台(マオタイ)酒」という中国のお酒があります。高級白酒(パイチュウ)として知られています。
このマオタイを製造・販売しているのは『貴州茅台集団』(Kweichow Moutai Group)。実は日本では想像できないほど巨大企業です※。
この『貴州茅台集団』が150億元(約2,300億円)もの社債を発行、入手した資金で国有企業『貴州高速道路集団(Guizhou Expressway Group)』の株式を購入するというのです。
酒造会社が高速道路を買うのです(「株式を買う」ですがこれによって企業の支配権を入手しますから)。『サントリー』が阪神高速道路を買うといったら誰もが驚くはずです。
しかも、
資金は株式購入だけではなく、『貴州高速道路集団』の有利子負債の返済や運転資金に充てる
としています。
つまり、これはマオタイによる高速道路の救済です。
実は『貴州高速道路集団』は新型コロナウイルス騒動によって(移動が制限されましたし)大赤字になっており、支援が求められていたのです。
この救済には政治的なウラがある
しかし、いくら支援にしてもなぜ酒造会社が?と誰もが不思議に思うはずです。
これには政治的な背景があります。
実はマオタイは貴州省国有資産監督管理委員会が支配権を持っている企業です。03月に新たにマオタイの会長になった高衛東さんは、貴州省の交通運輸部長だった人なのです。
このつながりで酒造企業がお金を出させられることになったというわけです。実に中国らしい無茶な話だと思われませんか。
ちなみに、中国はWTOに加盟した際に「国有企業は減らす」と約束していますが一切守っていません。むしろ中国の国有企業は増加している有り様です。
※2019年実績
売上高:888億5,400万元(約1兆3,500億円)
純利益:412億6,000万元(約6,270億円)
売上高:888億5,400万元(約1兆3,500億円)
純利益:412億6,000万元(約6,270億円)
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(柏ケミカル@dcp)