コロナ禍に対応するため、世界的に各国政府(と金融当局)がお金をじゃぶじゃぶまいています。これはとりもなおさず政府が負債を増やすことでもあります。例えば、韓国政府は3次に渡って災害支援金を給付しますがこの財源はほとんど国債の発行で賄うのです。
中国も同じですが、面白いのは中央政府だけではなく、地方政府もお金をじゃぶじゃぶまいており、そのため地方債券の発行が尋常ではない規模まで膨らんでいる点です。一応、新規債券の発行上限を設定しているのですがリミットぎりぎりまできています。
2020年01-11月 累計
地方債発行額:6兆2,600億元(約99兆8,470億円)
地方債発行額:6兆2,600億元(約99兆8,470億円)
※日本円への換算は2020年12月05日「1元=15.95円」を用いました
ざっくり日本円で「100兆円」です。天文学的な債務金額といえるでしょう。これまでの最高発行額は「2016年:6兆458億元」だったのですが、これを超えています。
新規の発行額
一般地方債:9,500億元(約15兆1,525億円)
地方特別債:3兆5,400億元(約56兆4,630億円)
小計:4兆4,900億元(約71兆6,155億円)
一般地方債:9,500億元(約15兆1,525億円)
地方特別債:3兆5,400億元(約56兆4,630億円)
小計:4兆4,900億元(約71兆6,155億円)
この「4兆4,900億元」が新規発行上限の「94.5%」に達しているのです。残りの「1兆7,700億元」(約28兆2,315億円)は借り換え(ロールオーバー)用に発行されました。
問題は、新規地方債の発行額が本当にこれで済んでいるのか?です。
中国の統計はアテになりませんので地方政府がリミットを超えないようにウソの報告を出している可能性があります。さらに、集計してリミットを超えているのを確認した中央がウソのデータを公開している可能性も捨てきれません。
いずれにせよ、中国の地方債発行額がかつてない規模にまで膨らんでいるのは確かです。
もちろん、ロールオーバー(借り換え)できなかったらデフォルトです。中国共産党のメンツにかけて地方政府をデフォルトさせることはないと思われますが、国有企業(地方政府の保有企業)が平気でデフォルトする国ですので、この先は分かりません。
(吉田ハンチング@dcp)