韓国メディアは「また史上最大更新!」と喜ぶのでしょうが……。2021年01月06日、『韓国銀行』は2020年12月末時点の外貨準備高を発表しました。以下です。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Korea’s Official Foreign Reserves(As of the end of December 2020)」
外貨準備高:4,431億ドル(約45兆5,595億円)※1
(前月比:67億ドル増加)
<<内訳>>
⇒Securities 4,098億ドル(約42兆1,356億円)
(証券類)
前月比:152億ドル増加
⇒Deposits 203億ドル(約2兆872億円)
(預金)
前月比:91億ドル減少
⇒SDRs 34億ドル(約3,496億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:2億ドル増加
⇒IMF position 48億ドル(約4,935億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:4億ドル増加
⇒Gold 48億ドル(約4,935億円)
(金)
前月比:増減なし
※1円換算は2021年01月06日「1ドル=102.82円」のレートで算出
韓国の外貨準備「4,431億ドル」となり、前月から「67億ドル」増加しています。当月の特徴は、なんといっても現金たるDeposits(預金)が「91億ドル」も減少し、Securities(証券類)が「152億ドル」も増えたことです。Securities(証券類)が増えすぎです。
以下が2015年01月~2020年12月の外貨準備高、Securities(証券類)、Deposits(預金)の推移です。
外貨準備高とSecurities(証券類)は左軸の目盛り、Deposits(預金)は右軸の目盛りです。
ドルの枯渇が叫ばれ始めた2020年01月末時点でDeposits(預金)は、今回発表と同額「203億ドル」でした。ですから、現在真水で使用できる現金は恐らくほとんどないはずです。世界的に株式が上昇しているので、現金の保有を思い切り減らしてSecurities(証券類)に換えたのではないでしょうか。ここぞとばかりに運用に走ったのでは。
今回外貨準備高が大きく増えた理由について、『韓国銀行』は「米ドル安による他通貨建て外貨資産の米ドル換算額の増加、金融機関の準備預金の増加、外貨資産運用収益などに起因」と説明しています。
先にご紹介したとおり、『韓国銀行』の当座預金口座にある「他の金融機関の準備預金」を外貨準備に入れていいのかは非常に疑問ですが(いざというとき他の金融機関名義のお金も使うと言っているようなものなので)、それは置くとしても、外貨建て準備預金が増えたといっているのに、実際にはDeposits(預金)は減っているのです。これは外貨準備高が増えた説明になっているのでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)