『韓国銀行』が「不況型黒字ではない」と強弁! 本当にそうでしょうか?

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2021年02月05日、『韓国銀行』が2020年12月の国際収支統計(暫定版)を公表しました。これで2020年通年の月次データが全てそろったわけですが、まず月次データをご紹介します。専門用語が面倒くさい方は次の小見出しまで飛ばしてくださっても大丈夫です。

国際収支統計2020年12月(暫定版)
経常収支:115億710万ドル
資本移転等収支:-3,660万ドル
金融収支:85億80万ドル
誤差脱漏:-29億6,970万ドル

韓国メディアではほとんど「経常収支」しか取り上げられませんが、経常収支の中身は以下のようになります。

貿易収支:104億9,580万ドル
サービス収支:-5億3,160万ドル
第1次所得収支:21億8,880万ドル
第2次所得収支:-6億4,590万ドル
小計(経常収支):115億710万ドル

この数字だけで韓国ウォッチャーの皆さんは思うことがたくさんあるかと存じます。

2020年韓国の輸出入は結局どうなったか?

韓国は輸出1本で食べている国なので「貿易収支(輸出 – 輸入)」が最も重要です。2020年12月は以下のようになりました。

2020年12月
輸出:525億8,920万ドル
輸入:420億9,340万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):104億9,580万ドル

12月の貿易収支は100億ドル超えの黒字になりました。韓国にとってはいいことです。

通年で見ると、以下のようになります。

2020年01~12月
輸出:5,166億400万ドル(対前年比:-7.2%
輸入:4,346億5,900万ドル(対前年比:-8.8%
貿易収支(輸出 – 輸入):819億4,500万ドル(対前年比:2.7%

輸出額は7.2%減少しましたが、輸入額がそれより大きく8.8%減少したため、貿易収支はかえって2019年より黒字が2.7%増加しました。不景気の中、輸出額よりも輸入額の方が大きく減少したため、黒字になることを不況型黒字といいますが、韓国の2020年はまさにこれに当てはまることが分かります。

しかし、韓国メディア『ソウルファイナンス』は『韓国銀行』の説明を以下のように報じています。

バク・ヤンス『韓国銀行』経済統計局長は「概念的にみると、不況型黒字とは国内景気が萎縮し、輸入需要が減少する中、輸出は改善されていない結果、経常収支が黒字だったことをいう」とし「しかし、昨年の輸入は、国際原油価格などの原材料価格の下落が大きく作用するなど価格要因による減少であったため、不況型黒字と見るのは難しい」と述べた。

⇒参照・引用元:『ソウルファイナンス』「昨年の経常黒字『753億ドル』歴代6番目『…不況型ではないか』」

確かに原油価格は大暴落しましたが、燃料炭の価格、鉄鉱石の価格が高騰して企業がヒーヒー言っていたのは忘れたのでしょうか。また不況によって輸入需要が減少したのも確かなことです。『韓国銀行』がこのように説明しようが、同記事では、

(前略)
輸出と輸入の差である貿易収支は819億5,000万ドルで、前年(798億1,000万ドル)よりも21億3,000万ドル増えた。

ただし、コロナ19によって輸出と輸入の両方が減少したが、輸出よりも輸入が大幅に減少し、その結果表れた不況型黒字だ。
(後略)

とはっきり書いています。

⇒データ引用元:『韓国銀行』公式サイト「ECOS Economic Statistics System」

(柏ケミカル@dcp)

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