韓国『LGエネルギーソリューション』と『SKイノベーション』のバッテリー製造企業同士のどつき合いの話です。
先にご紹介したとおり、アメリカ合衆国『国際貿易委員会』(略称:ITC)は、『SKイノベーション』が『LGエネルギーソリューション』の営業秘密を盗んだとして、『SKイノベーション』の部品から製品まで10年間輸入禁止と裁定を下しました。
『SKイノベーション』は『LGエネルギーソリューション』となんらかの和解に至らないと、今後10年間合衆国での商売はできませんし、また3兆ウォンかけてジョージア州に建設中のバッテリー工場がむだになります。
これまた先にご紹介したとおり、『SKイノベーション』は大統領の拒否権でこの判定を覆してもらえるように書簡を送ったのですが、こちらは残念ながら望み薄です(まだ大統領からの反応はありません)。
2021年03月09日の『BusinessKorea』の記事のよれば、勝訴した『LGエネルギーソリューション』は『SKイノベーション』に対して包括的な補償方法を提案したとのことです。
株式の譲渡あるいはロイヤリティの支払い
の形はどうか、というのです。『LGエネルギーソリューション』の目論見は「2~3兆ウォン」(約1,920~2,880億円)の損害賠償金を支払わせること、とされています。
ただ、傑作なのは敗訴した『SKイノベーション』の言い分です。
『LGエネルギーソリューション』に支払うのは5,000億ウォン(約480億円)だけだ
と頑なに主張しています。
「泥棒」とされた側が損害賠償の金額を勝手に決めているのです。
「480億円」と「約1,920~2,880億円」では隔たりがありすぎます。この泥仕合は、少なくとも「大統領の拒否権発動はない」と判明するまでは続きそうです。
(吉田ハンチング@dcp)