韓国の例のインサイダー土地転がし疑惑の件ですが、自身の支持率が34%の最低に落ちたことも相当頭にきたのでしょう、文在寅大統領が無茶なことを言い出しました。
2021年03月29日、大統領府で主宰した「不動産腐敗根絶のための反腐敗政策協議会」(なんだこれ)で、
取得してから2年未満の土地譲渡税率:40%から60%に上げる
非住宅ローン:LVTを導入
農地の取得:営農目的でも審査を強化
疑惑捜査の捜査官:500人以上投入
財産登録制:4級上級公務員から不動産関連の公務員まで拡大
未公開情報を利用して取引を行い摘発された場合:最大5倍の罰金
などを表明したとのこと。
突っ込むところ多数ですが、まず会議のタイトルです。「反腐敗」とは中国で習近平総書記が反対勢力の粛正のために掲げている大義名分です。権力者が反腐敗などと言い出すと危ないのです。
内容も内容で無茶苦茶です。転売がなかなかできないようにでしょうが、譲渡税率を最高70%まで上げるというのです、こんなことをしたら不動産市場の流動性を締め付けるに決まっています。あと、バブル崩壊が来たら逃げ遅れる人を増やすだけでなく、税率が上がった分だけ資産をさらに減らすことになります。資産価値が下がる局面のことは考えていません。
LVTというのは、「Loan to Value(ローン・トゥー・バリュー)」の略で「総資産有利子負債比率」(担保カバー率)と訳されます。
で計算します。例えば住宅を購入する際には、以下のような計算を行います。
5,000万のマンションを保有していて2,000万円の負債があるなら、「2,000万円 ÷ 5,000万円」ですから「0.4」で、LTVは「40%」になります。住宅ローン以外のローンを使って不動産を購入する人が後を絶たないので、非住宅ローンでこのLTVのパーセントで規制をかけて資金流入を防ぐつもりと思われます(具体的な比率は明らかにしていません)。
捜査官の大量投入も本業を放置して、土地疑惑捜査に血道を上げていいのでしょうか。国民の歓心を買うために行っているとしか見えません。
こういうのをこそ行き当たりばったりの「ポピュリズム政治」というのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)