念のためですが、筆者が言っているのではありません。韓国メディアが自分で述べているのです。
2021年05月04日、韓国メディア『ソウルファイナンス』に「KOSPIでPER26倍・PBR1.3倍…『先進国に比べ相変わらず低評価変わらず』」という記事が出ました。
たまに見る韓国の自虐的な嘆き節といえるかもしれません。
何を嘆いているかというと……記事の中に「MSCI」という指数が出てきます(MSCIACWI)。株式投資を行う方ならご存じでしょうが、これは『モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル』が算出するINDEX。
世界約70カ国と地域の株式市場をカバーし、先進国市場、新興国市場の大型株・中型株のパフォーマンスを示すように設計されています。
この「MSCI」の分類でいうところの先進国市場(Developed Market)と比較し、韓国株式市場のパフォーマンスは及ばないと嘆いているのです。
韓国市場 | 先進国市場 | |
PER | 24.1倍 | 30.4倍 |
PBR | 1.3倍 | 3.1倍 |
※韓国市場は「KOSPI200」、「MSCI」は先進国23カ国INDEX平均
株式を取り引きしない方のために念のため説明しますと、「PER(パー)」は「株価収益率」と訳され、その株式が割安か割高かの目安になる指数(INDEX)です。20くらいが目安で、それより値が小さいと割安とされます。
「PBR(ピービーアール)」は「株価純資産倍率」と訳され、これも株価の割安・割高を判断するための指標です。「PBR=1」よりも値が小さい場合は割安、大きい場合は割高と判断できます。
確かに韓国株式市場は先進国市場よりも「PER」「PBR」ともに値が小さいです。
韓国メディアが自国を先進国として認めないのは珍しいことですが、実は「MSCI」では韓国株式市場は「新興国市場」(Emerging Market)に含まれています。
ネット上で「自国を先進国と称するなら「MSCI」で先進国市場に含まれてからだ」といった言説を見掛けるのはそのためなのです。
ちなみに、「MSCI」の先進国市場となっているのは以下の国です。
アメリカ合衆国
オーストリア
ベルギー
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イスラエル
イタリア
オランダ
ノルウェー
ポルトガル
スペイン
スウェーデン
イギリス
オーストラリア
香港
日本
ニュージーランド
シンガポール
(吉田ハンチング@dcp)