韓国株式市場では株式投資ブームの熱が冷めやらず、個人投資家の資金が流入し続けています。対して、外国人投資家はセルコリア(韓国売り)を続けています。また、実は機関も韓国株を大量に売却しているのです。
2021年上半期の主要プレーヤーの売買動向が韓国取引所によって集計されていますので確認してみます。以下です。
売買収支ですので、「買い越し金額」「売り越し金額」を示しています。例えば、上半期に「10兆ウォン」買って、「5兆ウォン」売っていたら「+5兆ウォン」になります。
上掲のとおり、個人投資家はなんと2021年上半期に「55兆979億ウォン」(約5兆3,996億円)も買い越しています。
対して、外国人投資家、機関、年金機関は全て売り越しており、その合計は「71兆9,517億ウォン」(約7兆513億円)に達しています。
こうして見ると、主要プレーヤーの中で個人投資家だけが買い越しており、残り3つのプレーヤーは全てセルコリアに走っているわけです。
年金機関の中でも売買が大きい国民年金基金は、先にご紹介したとおり、個人投資家から「お前達が買わないからKOSPIが上昇しないのだ」と批判され、韓国株式市場に投下することのできる資金量を緩めました。
しかし、株価がそのときよりも上昇したため、やはり売りに回らざるを得なくなっていると考えられます※。
韓国株式市場では「個人投資家の買い越し vs 他プレーヤーの売り越し」という構図が明確になっているのです。
※国民年金基金では、韓国内株式を保有できる比率が「全資産の16.8%(±3%)」と決まっているのです。そのため、この比率を超えると保有している株式を売却しなければなりません。これはポートフォリオ上のルールです。
韓国「国民年金基金」韓国株の保有を拡大しない!(とりあえずは)
焦点となっていた韓国の「国民年金基金」の会合が開催され、例のリバランスについて議論されました。先にご紹介したとおり、韓国の投資家から「年金基金が韓国株に投資しないから株価が上がらないんだ。けしからん」という突き上げがあり、仕方がないので「韓...
(吉田ハンチング@dcp)