日本・伊豆で痛ましい災害がありました。被害に遭われた方々に心よりお悔やみを申し上げます。土石流について、森を切り開いて太陽光発電施設を造ったのが原因ではないのかという推測が出ており、川勝平太静岡県知事は調査を行う旨を表明しています。
日本の事故が影響したわけではありませんが(05月から開始されているため:後述)、韓国で太陽光発電施設について点検を行っています。
これは、2020年豪雨に見舞われた韓国で地滑りが起こり、山、森を開発して設置した太陽光パネルが破損する事案が多発したためです。
例えば、Money1では2020年11月18日に以下の記事で、「2020年08月には1日に1カ所の割合で太陽光発電施設が土砂被害が発生していた」ことをご紹介しています。
2021年07月05日、韓国メディア『マネートゥデー』の報じたところによると、産業通商資源部は05月から各地の太陽光発電施設の点検を行っており、同部のバク・ジンギュ次官が「2020年08月に大雨による土砂流出事故があった忠清南道の施設」にも足を運んだとのこと。
産業通商資源部だけではなく、『山林庁』『韓国電気安全公社』など関連する組織も動いています。
韓国の太陽光発電施設は脆弱である
このように念入りに調査・点検が行われるのは、韓国の太陽光発電施設が脆弱(ぜいじゃく)だからです。
昨年記事でご紹介したとおり、2020年08月01~08日には全国「4,230カ所」の太陽光発電施設のうち5%に当たる「236カ所」で発電量が「0」になりました。
豪雨による土砂災害などがあったためです。
韓国の太陽光発電施設で土砂被害が多いのは「99%手抜き工事が原因だ」とする専門家もいらっしゃいます。
慶北大土木工学科のイ・ヨンジェ教授です。イ教授は昨年の段階で次のように述べていらっしゃいました。
(前略)
「専門家として言おう。全国の太陽光発電施設はほぼ全部が不十分だ。政府は大雨のため被害を受けたと主張するが、実際にはそうではない。
山を削って建設過程ですでに問題があったため、太陽光発電施設が崩れ落ちたのだ。
2018年、慶尚北道青島で61㎜の雨が降っただけなのに、太陽光発電設備が国道まで流されてきた。当時鉄原でも同様にそうだった」
(中略)
「保証する。全国に設置された太陽光発電施設のうち、99%は斜面の安全性の検討が行われていなかった。だから、マッチ棒の家のように太陽光設備が崩れて簡単に地滑りが起こったのだ。」
(後略)
2021年も土砂災害に見舞われるかもしれません。電力不足が予想される今夏だけに韓国の産業通商資源部としても点検に万全を期したいところです。
(吉田ハンチング@dcp)