予想されていた事態となりました。韓国はLCD(Liquid Crystal Displayの略:液晶ディスプレー)、OLED(Organic Light Emitting Diodeの略:有機EL)ディスプレーの分野で世界1位のシェアを誇ってきたのですが、中国企業に追い越されました。
調査会社『Omdia(オムディア)』のデータを基にした韓国メディア『毎日経済』の分析によれば、液晶ディスプレー、OLEDディスプレーを合わせた世界シェアは以下のとおりになりました。
2021年第1四半期の結果は、「中国:40.0%」「韓国:33.0%」と7%もの差をつけて中国の方が上になっています。
中国・韓国を合わせた世界シェアは以下のように推移しています。
2017年:70.4%
2018年:67.6%
2019年:69.4%
2020年:73.1%
2021年第1四半期:73.0%
中国・韓国合わせると世界シェアは73%に達しています。つまり、中国企業は韓国企業だけではなく他国企業のシェアも奪い成長しているのです。
同記事では、韓国企業は中国企業からの猛烈な追撃を受けているとしていますが、全くそのとおりです。『サムスン電子』がLCDのラインを閉じるなどしているのはそのためです。
先にご紹介したことがありますが、OLEDディスプレーについても中国企業は韓国企業を急速に追い上げています。『オムディア』は2022年には中国企業のOLEDディスプレーのシェアが27%に上昇すると予測しています。
遠からず、中国企業は韓国企業をOLEDディスプレーの分野でも抜くでしょう。
中国企業は中国共産党政府の支援を受けています。他国はこの部分について公正な競争ではないともっと文句を言うべきなのです。企業の力だけでは対抗できません。
そもそも論からいえば、WTO(World Trade Organizationの略:世界貿易機関)に提訴して争うべき案件です。中国はWTOに加盟したときに約束したことを何一つ守ってないのですから。
(吉田ハンチング@dcp)