韓国の借金の話など、もはや読者の皆さまも聞き飽きたかもしれません。しかし、この点は知っておかれた方がいいですのでご紹介します。
『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)や『BIS』(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)が、韓国の政府負債が異常な速度で増えていることに対して警鐘を鳴らすと、韓国政府は「『IMF』の政府負債のカウントは『D2』だから」などと反駁することがあります。
確かに韓国政府が「国家債務」をいうときには「D1」を使っており、「D2」の数字でいうことはほぼありません。なぜなら、「D1」を使った方が金額が少なく見えるからです。
簡単にいえば、
D2:D1に非営利公共機関の負債を足したもの
D3:D2に非金融公企業の負債を足したもの
という違いがありますが、『IMF』では普通「D2」を使って国家の債務について比較しています。そのため、いくら少なく見えるからといって「D1」を使って政府債務について述べるのは少しずるい行為です。
先にご紹介したとおり、2022年には政府債務は「1,068兆3,000億ウォン」(約101兆4,885億円)に達し、対GDP比は「50.2%」となることは、韓国政府自身が公表していますが、つまりこれはまだ甘い数字なのです。
『IMF』は、2021年04月に「Fiscal Monitor(財政モニター報告書)」を出していますが、これによれば、2026年にはなんと国家債務対GDP比率は「2021年:53.2%」、「2026年:69.7%」に達するとしています(以下がその資料)。
また、この数字は『IMF』が勝手に計算しているのではなく、韓国政府が公表した数字を基に算出しています。ですから、国際基準でいえば韓国の政府債務は「1,068兆3,000億ウォン/対GDP比50.2%」より多いのです。
この『IMF』で見る韓国の政府債務がどのくらい危ないかというと、EUでは財政の健全性基準を「対GDP比で一般政府の負債(D2)の割合は60%」としています。
つまり、韓国の政府債務はもはやギリのところにあり、間もなく健全とはいえなくなるということです(もちろん財政準則はいろいろあります)。
(柏ケミカル@dcp)