中国『恒大集団』から「おしまい感」に満ちた発表

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Bloomberg』の記事によれば本日〆の利子払いができないはずの中国『恒大集団』ですが、実際にはどうなったのかまだ分かりません。

『恒大集団』から土日だというのに投資家向けの「発表」が出ていますので、ご紹介しておきます。

2本ありますが、どちらもひどい内容です。

早期償還を受けて逃げ出すネズミ現る

まず2021年09月18日(土)に出たリリースです。

発表 2021.09.18

2021年05月01日時点で、『恒大集団』本社、各産業グループ、不動産グループの各省の会社の会長兼ゼネラルマネージャー、および『恒大财富』の副ゼネラルマネージャー以上のマネージャーであった合計44名が、『恒大财富』の58の投資商品を保有していました。

05月01日から09月07日までの間に、上記の経営陣のうち、8人の投資商品が9件正常に償還され、9人が新規加入した。 6人は投資商品12本を前倒しで償還しました

09月08日時点で、39人は依然として『恒大财富』の投資商品50本を保有しています。

一部のマネージャーが『恒大财富』投資商品を早期に償還されたことを受けて、当グループはこの問題を非常に重視し、6人のマネージャーに対し、期限までに事前に償還した金額を全て返還するよう要求し、厳しい処分を下しました。

グループ会社は、公平性・公正性を確保するため、『恒大财富』社に対し、発表された償還計画に厳密に従った償還計画の実施を要請しました。

同時に、『恒大财富』の中堅以上の社員には、自分の持ち場を守り、顧客サービスで良い仕事をし続けることが求められます。

⇒参照・引用元:『恒大集団』公式サイト

これは悪質です。

『恒大财富』の投資商品を保有していた役員6人が満期前に早期償還を受け、投入した資金を回収していました。

つまり会社が危なくなってきたので、自分が投入させられた資金(『恒大集団』は役員だけではなく社員に広く投資させています)を先に取り戻すように動いたわけです。

読者の皆さまもご存じでしょうが、中国では『恒大集団』に投資した個人投資家が「お金を返せ」と切実なデモを繰り広げています。

そんな中、会社の上層部ではしれっと早期償還を受けていたのです。

上掲のリリースによれば、早期償還分のお金は全額返還するように要求した、とのことですが、それで返ってくるのかどうか不明です。これら役員は、船から逃げ出すネズミです。今のうちに取り返せる分は返してもらおうとしたのです。

「被害者の会」はただのうわさです!

以下は09月19日()に出たリリースです。

発表 2021.09.19

最近、「全国恒大集団投資家会議の開催に関するお知らせ」がオンラインで広まっています。

確認しましたが、この通知は偽造されたものであり、当グループの子会社である『恒大金融财富管理(深圳)有限公司』が正式に発行したものではありません。

投資家の皆様におかれましては、このようなうわさを鵜呑みにせず、全ての情報は正式な発表に従うようお願いいたします。 当社は、うわさを作り広めた人間への法的責任を追及する権利を留保します。

データ引用元は同上

『恒大集団』の理財商品に投資した資金が回収できるかどうか分かりませんので、「被害者の会」が結成されても全く不思議ではありません。

それを先取りしたかのような「全国恒大集団投資家会議が開催」といううわさがネット上に広まり、『恒大集団』がこれを否定するというリリースです。

このようなリリースを出さなければならない時点で、もうおしまい感があるわけです。

『恒大集団』でデフォルトが発生した場合、被害がどこまで拡大するのものか誰にも分かりません。日本への影響が小さいものであることを祈るばかりです。

(吉田ハンチング@dcp)

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