2021年10月07日、『韓国銀行』から08月の国際収支統計(暫定版)が公表されました。以下をご覧ください。
2021年08月(暫定版)
貿易収支:56億3,570万ドル
サービス収支:9億9,750万ドル
第1次所得収支:11億1,250万ドル
第2次所得収支:-23億3,400万ドル
経常収支(上記4つの合計):75億1,230万ドル⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年8月の国際収支(暫定)」
08月の経常収支は「75億1,230万ドル」の黒字でした。興味深いのは、ほぼ毎月赤字であるはずのサービス収支が黒字である点です。
また、第1次所得収支の黒字幅が大きく減少しました。第1次所得収支は、海外への投資からのアガリが計上される項目で、日本の場合には、たとえ貿易収支が赤字でもこの項目で莫大な利益を上げているため経常収支は黒字になるのです。
以下をご覧ください。
2021年「韓国の第1次所得収支」推移
2021年1月:23.6億ドル
2021年2月:21.2億ドル
2021年3月:12.8億ドル
2021年4月:-19.5億ドル
2021年5月:54.9億ドル
2021年6月:25.3億ドル
2021年7月:28.0億ドル
2021年8月:11.1億ドル※データ引用元は同上
上掲のとおり、08月は「11.1億ドル」と第1次所得収支の黒字金額は2021年最低になりました。
04月には赤字になっていますが、これは先にご紹介したとおり、巨額の海外への配当払いが集中するからです。いわゆる「残酷な四月」の結果です。
韓国メディアでは「前年同期比:13.1%増加」という惹句があるかもしれませんが、2020年08月の韓国の経常収支は「66億4,120万ドル」でコロナ禍で悪い状態でしたから、増えても特に不思議ではありません。
それよりも以下をご覧ください。
05月の「107.6億ドル」はできすぎにしても、だんだん経常収支の黒字は減少してきています。
前月と比べて経常収支は「8.5%減少」しました。2021年のピークだった05月との比較では「30.2%減少」です。
先にご紹介したとおり、09月には企業の景況判断が悪くなりました。韓国では景気回復が減速しているのです。次月の経常収支がどうなるのかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)