韓国は2020年に株式投資ブームが過熱し、それは2021年も止まっているとはいえません。その投資熱について、国際収支統計から見てみます。
国際収支統計の大きなカテゴリーの中の「金融収支」は、外国との取引で金融における資産と負債の収支を記録したものです。金融収支の中には「証券投資(Portfolio investment)」の項目があります。
この中には「Equity securities」すなわち株式の取引についての収支が計上されます。
まず韓国内から外国の株式への投資でいくら資産が増えたのか、「資産の部」を見てみると以下のようになります(2021年01~08月)。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「経済統計システム」
2021年01月には「95.5億ドル」(約1兆679億円)も外国の株式資産が増えています。それだけ外国の株式にお金を突っ込んでいるわけです。さすがに直近08月には「46.6億ドル」(約5,211億円)と減少はしましたが、いかに外国株式にお金を突っ込み続けているかが分かります。
韓国の保有する「外国株式の資産」が増加しているということは、その分韓国内から資金が流出していることを意味します。
つまり、韓国から上掲の巨額が抜けていっているのです。01月には約1.7兆円のお金が海外に出て行ったのです。
今度は逆に、外国から韓国内株式への投資がどのくらいあるのかを見てみます。これは負債の部に計上されています。
※データ引用元は同上
マイナスが多いですね。これは外国人の皆さんがそのぶん韓国株式の資産を減らしていることを意味します。つまり、資金が外国へ流出しているのです。
外国人の皆さんは2021年に入ってからずんずん韓国から資金を抜いているのです。
05月は特にひどく「83.6億ドル」(約9,348億円)も資金が外国へ流出しました。
――というわけで、韓国は株式取引においてじゃぶじゃぶお金が外国に出ていっているのです。合算してみると01~08月の資金流出は678.9億ドル(約7兆5,915億円)になります。
もちろん、(資産増加については)対外資産を増やしていることにもなるのですが、もし世界的な株価調整局面が来たらどうなるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)