韓国のロケット「ヌリ号」が2021年10月21日に打ち上げられましたが、衛星(今回はダミー衛星)の軌道投入はできなかったため、残念ながらミッションには失敗しました。
これを受けて、翌10月22日、韓国株式市場では航空宇宙関連の銘柄の株価が大きく下落しました。
今回のロケット製作にも関わった企業の株価を見てみましょう(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
打ち上げ当日の21日終値と22日終値を比較します。
ヌリ号の心臓部である「75トン液体ロケットエンジン」の製作に取り組んだ『ハンファ・エアロスペース』、システム組み立てと1段推進剤タンクの開発を担当した『韓国航空宇宙産業』、衛星通信システムを担当した『Satrec Initiative』の3社を例に挙げます。
残念ながら3社とも大きく下落しました。
打ち上げ当日の21日には上がり翌日に下落したのは、21日の市場が締まってからロケットの打ち上げが行われたからです。
『ハンファ・エアロスペース』:4.5%下落
『韓国航空宇宙産業』:4.7%下落
『Satrec Initiative』:6.2%下落
『韓国航空宇宙産業』:4.7%下落
『Satrec Initiative』:6.2%下落
ほぼ5%、また5%超の下落ですので、これは暴落と呼んでも差し支えのないレベルです。
3社だけですが、合わせて「約2,925億ウォン」が蒸発したことになります。
しかし、これは取り返せる下落です。次の打ち上げは2022年05月。
市場というのは冷酷なもので、成功・失敗には敏感に反応し、全ての情報を飲み込んで動きます。その意味ではフェアなものです。次回成功すれば、また株価は上がるでしょう。
よそから技術を持ってきてお得意のパリパリで製造するのではなく、今回の失敗を省みて、コツコツ取り組んでいただきたいものです。
(吉田ハンチング@dcp)