韓国の『預託決済院』から興味深いデータが公開されました。
2020年のコロナ禍の天底から株価は急速に戻し、この上昇によって韓国では空前の株式投資ブームとなりました(以下:チャートは『Investing.com』より引用/日足)。
なんのことはない、韓国史上最低の低金利と金融当局によって大量に緩和された資金が株式市場に流れ込んだだけなのですが。
傑作なのは、最も大量に資金が投入されたのは、株価が天井をつけた2021年01月だったこと。個人投資家が「そんなもうかるんならオレも」とお金を突っ込んだときがピークで、その後下げていったんは戻しますが、株価は以降に右肩下がりで進行。
靴磨きの若者までが「株だ」なんて言い出したらおしまい――とはよくいったもので、韓国でもまさにそうだったのです。今やっとヨコヨコから抜け出そうとしていますが、果たしてどうなるのかはまだ分かりません。
Money1でも連日ご紹介しているとおり、直近最高値が抜けませんので。
ともあれ、株式投資ブームによって、読者の皆さまもご存じのとおり、東学アリ、西学アリという言葉が韓国メディアの紙面に踊るようになりました。
朝鮮でかつてあった「東学党の乱」から引いた言葉ですが、韓国の株式市場に資金を投入する個人投資家を「東学アリ」、合衆国を中心に海外の株式市場に投資する個人投資家を「西学アリ」と呼びました。
今回、『預託決済院』が公表したデータから分かるのは「中国アリ」の復活です。
「中国株式市場に資金投入!」大丈夫なのか
『預託決済院』のデータによると、韓国内の投資家が2023年第1四半期に最もお金を突っ込んだのは、なんと中国です。
第2位 香港ハンセン市場:544万ドル
第3位 ベトナム市場:439万ドル
第4位 台湾市場:102万ドル
※純買収金額(買収 – 売却)です。
上海とハンセン市場合わせて計2,758万ドルを中国市場に突っ込んでいるのです。2022年第4四半期はベトナム市場に「1,177万ドル」で第1位だったのですが、韓国の投資家の潮目が完全に変わりました。
中国株式市場が底を打ったと見たのでしょう。
最もお金を突っ込んだ銘柄は『貴州茅台』です(純買収額:708万ドル)。同社は中国政府の消費促進政策によって代表的なリオープニングの恩恵を受ける銘柄と見たようです。
Money1でもずいぶん前にご紹介したことがありますが、『貴州茅台』は、お金がすってんてんの地方政府のせいで高速道路にお金を突っ込まされたりしている会社なのですが、大丈夫なのでしょうか。
まあ「やってみなはれ」です。
(吉田ハンチング@dcp)