2023年05月10日、『韓国銀行』が2023年03月の国際収支統計を公表しました。
結論からいえば、スレスレで黒字となりました。以下をご覧ください。
2023年03月
貿易収支:-11億2,510万ドル
サービス収支:-19億430万ドル
第1次所得収支:36億5,200万ドル
第2次所得収支:-3億5,470万ドル
経常収支(上記4つの合計):2億6,790万ドル⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
経常収支は「約2.7億ドル」とかろうじて黒字になりました。本当にギリギリの黒字です。
これによって懸念されていた3カ月連続の経常収支赤字を免れました。
しかし、韓国の経常収支は異常なほどの減少を見せています。2022年03月の経常収支は「67億7,080万ドル」でしたから、1年で96.0%を失ったことになります。
2022年01月から2023年03月までの経常収支の推移を見ると以下のようになります。
これで、暫定ながら2023年第1四半期の経常収支が締まりました。
2022年第1四半期:148億8,140万ドル
2023年第1四半期:-44億6,280万ドル
結局、2023年第1四半期の経常収支は赤字となりました。2022年は「約149億ドル」の黒字でしたが、2023年は天地で「193.4億ドル」も下げたのです。
次月は、海外への配当払いが集中する「残酷な四月」です。
海外への支払いが増え、第1次所得収支が赤字に傾く月です。上掲のとおり、03月はかろうじて第1次所得収支のおかげで黒字になったのですが、04月は頼みの第1次所得収支がアテにならない月なのです。
04月の通関ベースの貿易収支は赤字ですが、そこまで大きな金額ではないため、恐らく国際収支の貿易収支は黒転します。
しかし、サービス収支の赤字が継続しており、また第1次所得収支が赤字になると見込まれる※ため、再び経常収支が赤字に転落する可能性は高いといわざるを得ません。
※04月の第1次所得収支が黒字になったのは、2012年04月の「2億2,410万ドル」までさかのぼらないとありません。
(柏ケミカル@dcp)