2020年はコロナ禍で韓国では家計負債が大変に増加しました。カードローンでお金を借りる人も激増。もともと「カード大乱」※なるものがあった国ですので、カードローンがどれほど増えても驚くには値しない……かと思いきや、韓国の金融監督院のデータによると全く大丈夫ではございません。
本件を報じた韓国メディア『朝鮮日報(日本語版)』からデータを引くと以下のようになります。
2020年
カードローン残高:32兆464億ウォン(約3兆1,085億円)
(対前年比:10.1%増加)
カードローン残高:32兆464億ウォン(約3兆1,085億円)
(対前年比:10.1%増加)
特に収入的に厳しい若年、老齢層でカードローンが増加しており、
20歳代:19%増加
60歳代以上:17%増加
60歳代以上:17%増加
となっています。問題なのは、韓国の場合、日本よりも利率が高いということです。現在の法定最高金利はなんと「24%」。これが「20%」になります(一応07月に貸付業法施行令改正案が施行されるので)。
これでもずいぶん下がった方で、実はかつては「66%」までOKでした。これはもうヤミ金的な金利です。
『朝鮮日報(日本語版)』では「20代も60代も火の車状態」と書いていますが、これはカードローンを利用するのは複数のカードを回して利用する、いわゆる「多重債務者」が多いためです。
金融監督院の資料によれば、
2020年のカードローン利用者の56%(146万人)が3社以上で借り入れている
とのこと。どこかで回すことができなくなる(例えば1社で借り入れ条件が厳しくなって「貸せません」となるなど)とドミノ式にドボンになりますから、非常に危ないといえます。韓国の借金話はどうにも尽きません。
そうそう、上で触れた法定最高金利を「20%」に下げるという話ですが、政府与党の間では遡及適用しようという話が出ていました(2021年03月)。そうなると、借りた方は助かりますが貸し金側が大きな痛手となります。韓国はつくづく「遡及適用」が好きな国なのです。
※韓国の「カード大乱」については以下の記事を参照してください。
韓国で起こった「カード大乱」とは?
経済ニュースなどで「カード大乱」という言葉を見かけたことはないでしょうか? このカード大乱は、2003年に韓国で起こった経済的な混乱のこと。今回はこのカード大乱についてご紹介します。日本をしのぐカード大量発行国に成長した韓国韓国は1997~...
(吉田ハンチング@dcp)