韓国ロケット「ヌリ号」が発射されましたが、残念ながらダミー衛星を軌道に乗せるというミッションには成功できませんでした。
韓国メディア『毎日経済』に、『韓国航空宇宙産業』(KAI)発射体生産チームのイ・ウォンチョル首席研究員にインタビューを行った記事が掲載されました。
興味深い点がありますので、以下に記事の一部を引用します。
(前略)
――「半分の成功」という評価をどう受け入れるか。成功なのか失敗なのかを話すのは時宜を得ない。
「ヌリ号」はちょうど第一歩を歩き始めた幼児のようなものだ。歩き始めた子供を見て上手だった、できなかったなどといった話はしない。
時間が経つといつかは走る姿を見ることができる。
「ヌリ号」発射は99%の成功を収めたと思う。
初発射で100%成功した例は世界のどの国にもない。
初発射時に離陸できない場合もある。エンジンに点火され、発射体が爆発することもある。
「ヌリ号」はきちんと飛んだ。
ダミー衛星模が目標高度に到達できなかっただけだ。「初酒に腹を立てる」という言葉があるように、最初から完璧な結果を望むのは欲だ。
――韓国は失敗に寛大ではない。現場で感じる圧迫感はどれほど大きいか。
圧迫感はなんとも言えない。
韓国の開発文化を見ると「結果は成功でなければならない」という固定観念がある。
宇宙発射体の開発は挑戦と探検の過程である。失敗する可能性があるという考えを持つべきだ。宇宙発射サービスのリーダーであるアメリカ合衆国『スペースX』も何度も失敗した。
失敗がたまれば問題点を補完すれば、ついには成功することができる。時間とお金と人材が引き続き投資されれば、韓国は海外宇宙先進国にすぐに追いつくことができる。
(後略)
この方は、今は成功・失敗を言う時ではないとしながらも、「『ヌリ号』の打ち上げは99%成功」と考えていらっしゃるようです。
また、韓国では「結果は成功でなければならない」というプレッシャーが強く、その圧を常に感じながら仕事をされているそうです。一発勝負で結果を出さなければならないのはつらい立場ですが、韓国ではさらに大変のようです。
(吉田ハンチング@dcp)