韓国の文在寅大統領は就任時に「いま私の胸は一度も経験したことのない国を作るという情熱で熱い」と述べました。
その「一度も経験したことのない国」は達成されたようです。韓国民の皆さんが期待していたものとは違った形ですが。
2022年02月17日、韓国の企画財政部は「月刊財政動向及び問題」の2022年02月号を発刊。2021年韓国の財政がどのように締まるのかを明らかにしました。
Ⅰ.財政運用動向
総収入は予想より早い経済回復などで21年2次補正予算時「514.6兆ウォン」対比で「約56兆ウォン」増加した570兆ウォン(暫定)水準の見通し総支出はコロナ克服被害支援、防疫対応、景気後援の結果、歴代最大規模の財政執行で2020年比「約50兆ウォン」増加した600兆ウォン水準(暫定)と推定
国税「29.8兆ウォン」・基金収入「25兆ウォン」など総収入増加で統合収支は’21年2次補正予算時「-90.3兆ウォン」に比べ大幅に改善された「-30兆ウォン」台水準の見通し。
政府収入は税収の伸びによって「570兆ウォン」水準。
政府支出は「600兆ウォン」水準。コロナ対策の臨時支出があったとはいえ、韓国史上最高の支出となりました。
このため財政赤字は「-30兆ウォン」台となります。
2020年の「-90兆ウォン」よりははるかにマシとはいえ、それでも巨額赤字なのは変わりません。
以前の記事にも貼りましたが、以下はここまでの韓国政府の財政収支の推移です。
今回、企画財政部が公表したデータは2021年がどう締まるのかですので、上掲図の続きです。これで、
2019年:赤字
2020年:赤字
2021年:赤字
と3年連続赤字で締まることを政府自身が認めたことになります。
コロナ禍のせいにはできません。コロナ前の2019年にもう赤字だったのですから。
この財政赤字は2022年にも続きます。「607兆7,000億ウォン」の予算を組んだ上に、もう追加予算の話が出ています。つまり、支出はさらに膨らみますが、カバーできる収入がありません。
当然、国債を発行するしかなく、政府負債がまた過剰に増加するでしょう。
韓国の次期政権は、文大統領が実現した「一度も経験したことのない国」のぼろぼろの財政を引き継ぐのです。どうするつもりなのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)