2022年06月11日、韓国メディア『ソウル経済』に面白い記事が出ています。
ついに経常収支が24カ月ぶりに赤字に転落した韓国を応援するような内容です。「2022年の輸出金額が7,000億ドルが見えてきたので日本に追いつくかもしれない」という展望を語っています。
記事のネタ元になっているのは『韓国 経済研究院』(略称「KERI」)の「2022年に7,038億ドルの輸出を達成する」といいう予測です。
輸出金額が増えても国は傾くのです
もし7,000億ドルを達成すると、これは韓国史上初のこと。喜ばしい話ではありますが、問題はそれでいくらもうかったのか、です。
なぜなら、韓国という国は貿易のもうけで食べている国だからです。
昨年の2021年は、韓国は輸出金額は史上初めて6,500億ドルに達しました(国際収支統計基準)。
それでどうなったかというと……貿易でのもうけを示す貿易収支は2020年よりも減少したのです。
論より証拠。以下の『韓国銀行』ECOSで公表しているデータから切り出したものをご覧ください。
輸出 貿易収支 2015年 5,430.8億ドル 1,202.8億ドル 2016年 5,119.3億ドル 1,164.6億ドル 2017年 5,803.1億ドル 1,135.9億ドル 2018年 6,262.7億ドル 1,100.9億ドル 2019年 5,566.7億ドル 798.1億ドル 2020年 5,179.1億ドル 806.0億ドル 2021年 6,500.1億ドル 762.1億ドル ⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
上掲のとおり、確かに2021年は「6,500.1億ドル」を達成し、前年の2020年より「1,321.1億ドル」も輸出金額は増加しました。
ところが、貿易のもうけは前年「2020年:806.0億ドル」から「44.0億ドル」減って「2021年:762.1億ドル」となっています。
輸出が「1,321.1億ドル」も増えたのに、貿易のもうけは「44.0億ドル」減少したのです。
これのどこが大丈夫なのでしょうか。
ですので、たとえ2022年に輸出金額が7,000億ドルを達成しようが、たとえ日本に追いつこうがそれがなんだというのでしょうか。
もう何度だって言いますが、韓国は貿易のもうけが十分でないと傾く国なのです。
日本と比較するのもいいですが……
同紙の記事から日本と比較した部分を以下に引用してみます。
(前略)
04月まで韓国の累積輸出額は2,317億ドルです。1年前より17.3%上がった数値ですが、同じ期間日本の累積輸出額2,527億ドルと比べると210億ドルの差があります。昨年4月までの韓国と日本の累積輸出額の差が491億ドルに達したものと比べると、差が半分に減ったのです。
さらに去る01月には韓国の輸出額が日本の輸出額より3億ドル多いこともありましたが、これに政府関係者は「下半期にも輸出好況が続くと今年日韓の輸出額が逆転することができる」と期待感を表わしたりもしました。
2022年01~04月の輸出は日韓で「210億ドル」の差。2021年の同期では「491億ドル」の差だったのに今年は半分に縮まったとしています。
また、政府関係者が「2022年に日韓の輸出額が逆転するかも」と喜んでいたと書いています。
しかし、喜んでいる場合ではありません。以下をご覧ください。
※データは『韓国銀行』「ECOS」より。Money1でグラフ化しました
韓国にとって最も大事な「貿易収支」は見事な右肩下がりなのです。
日本と比較するのもいいですが、この先どうなるのか、どうするのか、自国のことをもっと心配すべきではないでしょうか。
何度だっていいますが、韓国の夏は終わったのです。
(柏ケミカル@dcp)