「いや、そんなこと言われても……」という話です。
韓国『起亜自動車』が国内に電気自動車工場を増設しようとしています。国内の雇用が増えるかもしれないイイ話なのですが、これに労働組合がかみついています。
生産規模を20万台まで上げた工場を造れ
『起亜自動車』が造ろうしているのは、空港でピックアップバスなどとして使用できるPBV(Purpose Built Vehicle:多目的モビリティ車両)の完成電気自動車工場です。
『起亜自動車』が国内工場の設立に乗り出すのは、1997年に京畿道華城に3つの工場を建設したのが最後でしたらから、実に25年ぶりのことです。
『起亜自動車』は「年間10万大規模の自動車を製造する工場で、市況に合わせて15万台まで製造を拡大できるものとする」としています。着工は2023年03月とのこと。
いい話だと思われるのですが、『起亜自動車労働組合』は、「生産規模を20万台にしなければならない」として会社の計画に異を唱えているのです。
また、一部外注している部分も内製化しろと要求している模様です。
面倒くさいのは、労使の協約によって新工場を建てる際には労働組合の同意を得なければならないのです。
『起亜自動車』の経営側と労働組合は新工場の建設の交渉をすでに14回も行っています。
しかし、なんら決まりません。いったいナニをやっているんだ――という話です。
韓国メディア『朝鮮日報』によれば、以下のような事態にも陥っています。
(前略)
起亜労組は光明工場をEVの生産ラインに転換することにも異論を唱えている。起亜は輸出車を製作する光明第2工場をEV専用工場に転換することを決め、来年6-7月から本格的な工事に入る予定だ。
しかし、生産の配分などをめぐって労使交渉が遅れている。
会社側は一部車両を下請け企業の『トンヒオート』に外注する方式を提案したが、労組は生産委託は団体協約違反だとし、同社を買収すべきだと反論したという。
専門家は仕事を奪われまいとする計算が根底にあるとみている。
(後略)
国内の労使交渉をぐだぐだ行っている間に時間がたって対応が遅れてしまいます。
アメリカ合衆国工場の方は『現代自動車』が『起亜自動車』と共同で使うための工場を突貫工事で造ろうとしており、Money1でもご紹介しましたが、起工式もすでに行いました。
それにしても韓国は、つくづく労働組合に足を引っ張られる国です。このような国に直接投資を行おうという投資家の気がしれません。
もう何度だっていいますが、こんなことをやっているから外国に出ていった韓国企業は国内に戻ってはこないのです。
(吉田ハンチング@dcp)