韓国「ほとんど徳政令じゃん」な準備を始めた。

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例の不良債権化がせき止められている件です。

133兆ウォンをどう処理する?

コロナ禍で経済が低迷する中、2020年04月から、韓国の文在寅政権は小商工人、個人事業主に対して「融資の満期延長、元利償還の返済猶予」措置を取りました。

この措置は6カ月後が期限だったのですが、4度の期限延長が行われ、2022年09月末に期限が切れます。何度もご紹介しているとおり、この措置のため、不良債権化するはずの融資がせき止められています。

この猶予措置の恩恵を受けた融資は、以下の記事でもご紹介したとおり、2020年04月01~2022年01月31日までで、291.0兆ウォン

【133兆!】韓国「不良債権の津波」を恐れて返済猶予をまた延長!次期政権に丸投げ
韓国の金融委員会が日和りました。韓国政府は、2020年コロナ禍による小商工人、個人事業主の経済的困窮を避けるために、金融機関から受けた融資の満期延長、元利償還の返済猶予措置を行いました。つまり、借りたお金の利子払い、返済を当面しなくてもいい...

このうち、2022年01月末時点で支援を受けているの計「133.4兆ウォン」もあります。これが01月末時点でダムにせきとめられている水の総量です。

驚くべき金額という他ありません。韓国政府の支出予算が年間ざっくり600兆ウォンですから、猶予措置を受けているのは、国家予算の22.2%の規模にもなるのです。

09月末に猶予措置が終わり、ダムがなくなります。水が流れ出すわけですが、このうちいったい何%が不良債権になるでしょうか。

金融当局がアップを始めた

不良債権の津波が押し寄せた場合、金融機関の健全性に大打撃を与える可能性があります。もう2カ月余りしかありませんので、韓国の金融当局もアップを始めなければいけません。

先にご紹介したとおり、2022年06月23日、韓国の金融委員会は『韓国預金保険公社』に「金融機関が破綻する前に支援し、経済危機が金融業界に打撃を与えるのを防ぐ権限を与えることにしました。

これは、金融機関の破綻に備えるための準備の一つと考えられます。

2022年07月11日、韓国メディアに重要な報道が出ました。『中央日報』の記事から以下に引用します。

(前略)
10日、金融圏などによると、『金融委員会』は自営業者が第2金融圏などの非銀行から受けた高金利融資を銀行圏の低金利に代弁してくれる融資商品の最高金利を年7%と定めた。

第2金融圏の個人事業者貸出金利が年15~16%水準である点を考慮したときは、自営業者の利子負担を大幅に減らすことができる。

対象は小商工人の中でも自営業者と小規模企業で、転換可能な限度は5,000万ウォン程度だ。

信用保証基金の保証支援を通じて、年7%以下の融資に乗り換えることができる。

早ければ来る09月中に施行される。
(後略)

⇒参照・引用元:『中央日報』「“자영업자 대출 부실 막아라” 금리 7% 이하 갈아타기 지원」

読者の皆さまもスグにピンと来るでしょうが、金融委員会による借り換え(ロールーバー)の準備です。(よくまあそんな利率で借りるものですが)年利15~16%での第2金融圏からの融資を、第1金融圏での最大利率7%の融資に借り換えられるようにする、というのです。

第1金融圏は、一般銀行と特殊銀行。日本でいう都銀・地銀や特殊銀行である『農協銀行』などはここに区分されます。

第2金融圏は、保険会社、証券会社、総合金融会社、相互貯蓄銀行、与信専門金融会社などです。『貯蓄銀行』もこの第二金融圏に区分されます。

早ければ来る09月中に施行される」という点からも、これは「満期延長、元利償還猶予」措置が終わることへの準備と見て間違いないでしょう。

このような準備が行われるということは、韓国の金融当局は措置を今度こそ終了させる腹をくくったと言えるのではないでしょうか。

出た「○○基金」! ほとんど「徳政令」ですわ

以下のよう情報も出ています。

(前略)
借金を返済できないほど状況が難しくなった自営業者には、借金を減免して返済期間を増やすなど債務調整を支援する。

債務調整支援は30兆ウォン規模の小商工人の新出発基金(仮称)を通じて進行する。

支援対象となる自営業者には最大1~3年間の債務返済を猶予し、元利金は最長20年間に分けて返済することができる。

貸出金利を中信用者貸出金利水準に下げ、不良貸付者(借主)が保有する信用債務については60~90%水準の元金減免も行われる。
(後略)

⇒参照・引用元:『中央日報』「“자영업자 대출 부실 막아라” 금리 7% 이하 갈아타기 지원」

Money1では何度もご紹介していますが、韓国は何かというと「なんとか基金」を組成するヘンな国ですが、今回も「新出発基金」なるものを作り、30兆ウォン規模の支援を行うとのこと。

二進も三進もいかなくなった借り主には、最大1~3年間の債務返済猶予を行い、最大で元利返済期間を20年まで認めるというのです。

元金の60~90%の減免を行うとしていますが、こんなものほとんど徳政令です。当然、貸主がいるわけで、貸主にとっては焦げ付いた債権になるわけですが、これは(フロントは設置される基金でしょうが)政府が被るといっています。

問題は「30兆ウォン規模で足りるのか」と「そのお金はどこから出るのか」です。

以前にご紹介しましたが、ここまでダムに水がたまってしまうと、どこかに不良債権を受けるバッドバンクを作るしかありません。一応政府が支援してこれを長期で返済する、そして金融機関の健全性を担保するしかないのです(少なくとも第1金融圏の銀行はどこも飛んでもらっては困ります)。

まあ予定どおり、そして韓国の十八番の徳政令へと向かっています。

09月にどうなるのか、ご注目ください。

(柏ケミカル@dcp)

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