中国が猛烈に米国債を売却しています。
2022年07月18日、アメリカ合衆国財務省から2022年05月時点での合衆国公債の主要ホルダーとその金額のデータが公表されましたので、中国の保有金額を確認してみます
⇒データ出典:『アメリカ合衆国 財務省』「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」
先月「このままでは1兆ドルを割るぞ」とご紹介しましたが、あっさり1兆ドルを割って中国の合衆国公債の保有額は「9,808億ドル」となりました。
04月から05月にかけて「226億ドル」を売却しました。
以下が2022年01月から2022年05月までの推移です。
2021年12月から当月までなんと1,000億ドルの合衆国公債を売却しているのです。
ロシアが不法に起こした戦争の結果、被った外貨準備資産の凍結などの制裁措置を見て、「合衆国公債を持っているのは危険」と判断した可能性があります。
仮に、中国が台湾に侵攻した場合、世界から同様の措置を取られるかもしれないからです。合衆国は、中国が保有する合衆国公債の売却(現金化)をボタン一発で止めることができます。
中国が「持っていると危ない」と判断しても無理はありません。ロシアがウクライナに侵攻した翌月には、合衆国公債の売却金額は一桁上がっているのです(03月は02月の約3倍売った)。
2022年中国の合衆国公債売却金額
12月:121億ドル
01月:86億ドル
02月:53億ドル
03月:152億ドル
04月:362億ドル
05月:226億ドル
小計:1,000億ドル
12月:121億ドル
01月:86億ドル
02月:53億ドル
03月:152億ドル
04月:362億ドル
05月:226億ドル
小計:1,000億ドル
もう一つ売却の要因と考えられるのは、ドルを調達しないといけない状況になっているのではないか――ということです。
この先、中国の合衆国公債保有額がどうなるのかに要注目です。
中国が「合衆国公債を買わない」となると、合衆国にも影響が出ます。資金流入が細くなることを意味しているからです。
(吉田ハンチング@dcp)