韓国で新旧権力のどつき合いが激しくなってきました。
大統領選挙に破れ、野党に転落した『共に民主党』ですが、党首に選ばれてしまった李在明(イ・ジェミョン)議員が検察から召喚状が出されるという窮地に陥っています。
李在明(イ・ジェミョン)議員は、明日、2022年09月06日に検察に出頭するよう要請されています。
この窮地を逃れるためでしょうか、2022年09月05日、『共に民主党』の広報担当者が「尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領を高位公職者犯罪捜査処に告発する予定」と公表しました。
容疑の内容は「公職選挙法上の虚偽事実の公表」としています。
これまた李在明(イ・ジェミョン)議員がかけられている容疑と同様のものです。
『共に民主党』の算段としては、これをもって尹政権との取引材料にしたいのかもしれません。取り下げてほしければ、そちらも検察の動きを止めろ――というように。
だとしたら全く愚かな話です。
まず、高位公職者犯罪捜査処は、文在寅前大統領が検察の権力を削ぐために新設した部署で、一名「大統領のゲシュタポ」。文前大統領が任命した人物、金鎭煜(キム・ジンウク)さんがまだ居座っていますが、果たして『共に民主党』の思うとおりに動くかどうかというのが一つ。
韓国の公的機関というのは、そもそも時の政権に阿(おもね)って動くものです。
次に、このような告発で尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領側が怯むわけがないという点です。
法務部長官を務めているのは、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の秘蔵っ子、韓東勳(ハン・ドンフン)さんで、この人はボス譲りの正面突破が信条の人物。
恐らく「来るなら来い。受けて立つ」という態度で臨み、全く効き目がないのではないでしょうか。
ともあれ、韓国の政界は、まさに韓国らしい「旧権力 vs 現権力」の潰し合いがまた鮮明になってきました。
(吉田ハンチング@dcp)