台湾総統選挙の行方は? 「鴻海会長」予備選で敗退

アメリカ合衆国と中国の対立が続いていますが、合衆国国防総省(DoD)が台湾を「国」として表記し防衛用の武器を供与するなど、新冷戦の焦点として台湾が急浮上しています。

2020年には台湾総統選挙が行われますが、当然中国は親中国な人物が総統に選ばれることを目指して最大野党「国民党」の候補を応援しています。以前もお伝えしたとおり、シャープを買収したことで知られる『鴻海』の創業者・郭台銘さんが立候補しました。

国民党の予備選有力候補は

郭台銘さん
韓国瑜さん(高雄市市長)

の2人だったのですが、国民党は07月08日-14日、一般市民に電話調査を行い、韓国瑜さんを公認候補として一本化。郭台銘さんは立志伝中の人物として人気があったのですが、中国との親密すぎる関係を台湾の人たちに警戒されたのか、敗退となりました。

ポピュリストとされる「韓国瑜」

日本人にはあまり知られていないのですが、国民党の公認総裁候補となった韓国瑜という人は「ポピュリスト政治家」と呼ばれます。意味するのは、選挙民の支持されそうなことを巧みに捉え、意見をころころ変える政治家といったところです。

韓国瑜はそもそも中国共産党と関係の深い人物です。中国との関係強化を訴えて高雄市長に当選していますし、2019年03月には香港を訪れ、行政長官・林鄭月娥、香港連絡便公室※の主任・王志民と会談を行っています。ご存じのとおり、林鄭月娥長官は、先日来の香港デモで民衆から糾弾されている人物。そのような共産党とズブズブな人と会談を行うわけですから、韓国瑜さんが中国ウケがいい人であることは確かです。

驚くのは、香港デモのきっかけとなった「2019年逃亡犯条例改正案」について、「よく知らない」と発言して非難を浴びたのに、最近では「一国二制度を実現するなら私の屍を越えていけ」などと台湾国民にウケそうな発言をしていることです。韓国瑜さんは「中国との関係を深める」という態度をコロっと変えたわけですね。

中国共産党が来年の総裁選挙で韓国瑜を支援するのは間違いありません(すでに始まっています)。しかし、香港の様子を見て警戒心を強めている台湾国民からの支持を集めるのは容易なことではないでしょう。

※香港連絡便公室
香港特別行政区における中国政府の出先機関です。

⇒参照記事:『Money1』「米国防総省、台湾を「国」と記載してしまう」
https://money1.jp/?p=8933

⇒参照記事:『Money1』「合衆国には合衆国の『一つの中国』ポリシーがある」
https://money1.jp/?p=9094

(柏ケミカル@dcp)