安値でホイホイ受注するからじゃないのか、という話です。
表向きは、韓国の造船業界はいまだに受注ラッシュを誇っているのですが、その裏側ではひどく空洞化が進み、まるで朽木のようになってきました。
受注ラッシュで仕事はあるのですが、韓国内に造船の下請け仕事を受けてくれる会社(および人材)がないという事態になってなり、中国に仕事を発注しているのです。
本件を報じた韓国メディア『ソウル経済』によれば、韓国最大手の造船会社は以下のような具合です。
●『現代重工業』
海外エネルギー企業から受注した6,600億ウォン規模の半潜水式原油生産設備(FPS)について、一部を中国企業に任せることになった。国内主要な下請け会社がLNG運搬船で手一杯で中国に出さないと仕方ない事態に追い込まれた。●『サムスン重工業』
造船ブロックの一部を中国企業に発注。いつも使っている中国企業以外の会社にも依頼。
韓国の造船業は確実に弱っています。
というのは、造船業従事者が激減しているのです。
韓国の造船業従事者の人口
2014年:20万3,441人
2022年09月:9万3,038人
2014年:20万3,441人
2022年09月:9万3,038人
2014年と比較して54.3%も減少しています。
これでは協力会社がなくても当然です。韓国の造船業は長期の不況に見舞われ、ここまで這うように続けてきたのですが、それでは食べられないということで造船業から足を洗う人が増加したのです。
そのため、人材も流出し、会社も減りました。しかし、安値受注を続けて仕事はじゃぶじゃぶ取ってくるのですが、もう自分のところでは回らないので中国に下請け仕事を出す、という状況なのです。
それで会社が黒字かというと赤字ですから、根本的におかしいという他ありません。
――というわけで、韓国の造船業はもうからない上に弱体化を続けているのです。
(吉田ハンチング@dcp)