旧正月のお休みで、韓国の皆さんが日本に大挙観光にいらっしゃっており、日本としては「毎度あり!」ですが、韓国メディアには「旅行収支の赤字」を心配する記事が出ています。
旅行収支というのは、「その国の人が外国に出掛けて使ったお金」と、「外国人が自国に来て使ったお金」の収支です。
旅行収支 = 外国人が自国に来て使ったお金 – 外国に出かけて使ったお金
で求めます。簡単にいえば貿易収支(輸出 – 輸入)と似たようなものです。
多くの外国の皆さんが訪日してお金を使ってくれると、日本人が外国に出かけて使うお金よりも大きくなって、この旅行収支は黒字になります。
つまり、外国人の皆さんが日本に落としてくれるお金の方が大きくなった状態です。
では、韓国はどうかというと、圧倒的に韓国人が外国で使うお金の方が大きいのです。
論より証拠。国際収支統計から2017年01月~2022年11月までの旅行収支のデータを切り出してみると以下のようになります。
⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
ご注目いただきたいのは、2017年01月~2022年11月まで全て「0の下」で毎月赤字であることです。
このデータが示しているのは、韓国は決して観光地として高く評価されているわけではない――という事実です。出る方が多いのですから。
また、コロナ禍で人の移動が制限されて以降は「赤字が縮小」しています。コロナ禍で韓国経済について良い効果があったとすれば、旅行収支の赤字が縮小したことぐらいです。
2022年01~11月累計で「-70億8,400万ドル」と、大きな赤字を計上しています。
韓国メディアが注目している理由は、移動制限が解除されたらこれがまた膨らむ可能性があるからです。
Money1でもしつこくご紹介していますが、韓国は現在、貿易でのもうけ(貿易収支)が縮小し、赤字傾向が強くなって経常収支が赤転する可能性が高まっています。ここに旅行収支の赤字が拡大したら、さらに経常収支を圧迫することになります。
まさに「泣きっ面に蜂」というやつです。
(吉田ハンチング@dcp)