韓国政府は、「いわゆる徴用工」問題の解決として、『日帝強制動員被害者支援財団』を代位弁済を行う新債務者として使おうというプランで押し切るつもりでいます。
しかし、このプランでは、
・日本政府、日本企業が謝罪するとは限らない
として韓国内では反発が大きくなっています。
韓国政府をはじめ、メディアも「韓国が歩み寄ったんだから日本も呼応しろ」と叫んでいます。「呼応」というのは「お金と謝罪」です。
韓国政府がこのプランで押し切るつもりなので、仕方ないと考えたのか「後の課題は……」などという記事が韓国メディアに出ているのは驚く他ありません。「もう日本にボールがある」論です。
例えば、『ソウル経済』には「徴用工(原文ママ)解決の残りの課題は……」として記事を出しています。同記事ではその課題とやらを以下の3点としています。
①頑強な日本…被告企業が動くか
②日本側謝罪の主体・レベル・内容も重要な変数
③日韓、韓国の解法の不可逆性について終盤綱引き
①は、被告にされた日本企業が『日帝強制動員被害者支援財団』に対してお金を出すか、原告に対して謝罪をするのか、です。これまで何度もご紹介しているとおり、日本企業は全くそんなことをする必要はありません。
1965年の日韓請求権協定において日本の朝鮮半島に対する債務は全てなくなった――のですから、お金を出す必要はありません。また、強制性があったと認めることになるので謝罪も決してしてはいけません。
そのため①は課題ではありません。
次に②。なぜか日本が謝罪をすることが前提になっているのがおかしいので、「謝罪の主体・レベル・内容」を課題にすることなど論外です。ですから②も課題にはなりません。
最後に③。「日韓、韓国の解法の不可逆性」といっているのは、先の「慰安婦合意」に端を発する「韓国はまた合意したものをひっくり返すかもしれない」という日本の懸念です。
日本の不信は当然のことで、韓国も一応そのことは分かっているのが傑作です。
第三者が代位弁済を行った場合、求償権が生じます。今回のケースですと、代位弁済を行う『日帝強制動員被害者支援財団』が後で、被告・日本企業に対して肩代わりをした債務を返済せよと請求できるのです。
このプランが成立するとしても、求償権を生じさせないように封じる必要があります。求償権をどうするのかは確かに課題に見えます。
しかしながら、求償権の問題こそ韓国が「二度と言い出しません」という方法を考えるべきことです。なにせ1965年の日韓請求権協定を平気で覆すような国ですので、法律で縛ることができるのかさえ疑問です。
日韓が慰安婦合意をしたのに平気で破った過去があるので、日本人としては韓国とどんな約束をしても無駄だと考えるのは当然のこと。
「韓国にどうしたら約束を履行させることができるのか、もう思いつかない」となっても仕方ないでしょう。これこそボールは韓国にあります。
「二度と言い出しません」となる方法を韓国が自分で考えたらいかがでしょうか。ですから、やっぱり(日本はお手上げという意味で)課題とはいえません。
約束・法律を守らない国といったい何を約すことができるでしょう。
そもそも韓国の司法が国際法を破る判決を出したことが問題で、被告となっている日本企業こそ被害者といえます。
もう何度だって言いますが、日本政府・国民が納得する解法を持ってくるのが「韓国がしなければならないこと」です。日本の呼応が必要な解法なら、それは解法ではありません。
「韓国は日本にボールがある」論を言い立てるようになっていますが、ボールは韓国にあります。
(吉田ハンチング@dcp)