アメリカ合衆国と中国の貿易戦争が激化しており、中国人の生活がますます立ち行かない方向に進行しています。
国務院は消費を増やして経済を上向かせようなどという文書を出して、「だからお金がねーんだってば」と失笑を買ったわけですが、頭の悪い状況は変わっていません。
給与削減、失業者の増大、就職先が見つからないなど、労働環境が最悪な状況に突き進む中、消費も縮小の一途を辿っています。
これは当然の話で、明日仕事があるかどうかも分かりませんので、消費は控えようとするのは当然のことです。実際に北京の消費活動について見てみましょう。
以下は、北京統計局が出した2025年03月単月、01~03月累計の「消費についてのデータ」です。
03月単月では「社会消費品小売総額」は前年同月比で-9.9%。01~03月累計では「-3.3%」です。
消費が増加しないのに景気が良くなるわけがありません。
03月の飲食収入は前年同月比-3.1%、01~03月累計では-3.8%です。03月の商品小売は、なんと「-10.6%」、01~03月累計では-3.2%となっています。
北京でも多くの飲食店が潰れ、これが非常に痛々しい閑散とした通りの景観を生み出しています。
「多くの店やレストランが潰れ、残っているのはデリバリー店ばかり。かつてのような人混みは消え、閉店・廃業が相次ぎ、閑散としている。空きテナントも非常に多い」――というのが北京の様子とのこと。
また、このデータによると通信機器類(簡単にいえばスマホ)が前年同期比「-38.2%」とひどい落ち込みを示しています。
文化・オフィス用品「-22.6%」、自動車類「-20.2%」、スポーツ・娯楽用品「-17.6%」もまた大きなマイナスです。
つまり北京の皆さんは、生きていくのに直接関係のない娯楽やクルマなど耐久消費税の支出を大きくカットしているのだと推測できます。スマホをホイホイ買い替えたりする余裕も恐らくないのです(一部の人は除く)。
↑2025年03月は金銀宝飾品が「60億3,478万元」消費されました。対前年同月比で「+28.5%」。01~03月累計でも対前年同期比「+29.0%」です。
ご注目いただきたいのは、金銀宝飾品が「+28.5%」と大きくプラスになっている点です。中国人の皆さんは資産防衛のために、Gold(金)などを購入しているわけです。
普通の消費が増えず、飲食店がバタバタ潰れ、でも金銀宝飾品は売れている――そんな状況が首都で展開されているのです。
「まともな経済状況の国」だと言えるでしょうかね。
(吉田ハンチング@dcp)