中国経済がいよいよ危なくなっており、中国共産党政府は危機的状況を糊塗しようと必死です。
先にご紹介したとおり、中国商務部の王文濤部長が自ら海外記者への説明会を主催し、「中国経済は大丈夫だあ」と連呼するなどしています。
また、「デフレ」と書くなと指示するという姑息な手も使っています。中国共産党政府からすると「中国共産党はデフレに突入した」という認識を持たれるのは困るのです。
しかし、実際に出てくる数字はデフレ突入を知らせるものとなっているのです。例えば、以下は2023年08月09日に中国の統計局が公表した「CPI」(消費者物価指数)と「PPI」(生産者物価指数)です。
⇒参照・引用元:『中国 国家統計局』公式サイト「国家统计局城市司首席统计师董莉娟解读2023年7月份CPI和PPI数据」
だらだらと「解釈」が書いてあって辟易するのですが、要点は以下です。
CPI:-0.3%
PPI:-4.4%
消費者物価指数(CPI)が対前年比でマイナスのなったのは、2021年02月以来のことです。
また、生産者物価指数(PPI)は、10カ月連続で「対前年比マイナス」です。
Money1でも先にご紹介したことがありますが、PPIは1~3カ月先を見るための先行指数となります。
生産者物価は概ね「卸売価格」のことを指しています。これが上昇するなら1~3カ月のタイムラグをおいて消費者物価が上がるだろう――と予測できます。
しかし、下がっているわけですから(しかも対前年比で下がり続けている)、PPIは消費者物価も下がるぜ――と告げているのです。
不景気が中国を襲い、しかもCPIも、先行するPPIも低迷しているわけですから、当局がいくら箝口令を施行が、これを「デフレ」と言うのではないでしょうか。
実際、『Reuters(ロイター)』は「ANZの中国担当シニアストラテジスト、シン・チャオペン氏は『CPIとPPIがともに前年比でマイナスとなり、経済のデフレが確認された』と指摘した」と書いています。
ずいぶん前にご紹介したことがありますが、ここで崩壊だという「ミンスキー・モーメント」は崖から落下している最中には気付きません。
墜落してから「あの時だったのか」と初めて気付くのです。
(吉田ハンチング@dcp)