2024年01月19日、中国『人民大学 重陽財政学院』で開催されたフォーラムで、外交部で次官を務めた乐玉成(楽玉成)さんがスピーチを行ったのですが、この中身が面白いものでした。
↑外交部次官だったころの楽玉成さん(2021年04月16日)
この楽玉成さんは、秦剛さんの次に外相になるのでは?といわれた人でしたが、秦剛さんが行方不明&外相解任となって、楽玉成さんも辞めることに。
現在では「SARFT」(国家ラジオ映画テレビ総局)の副局長を務めていらっしゃいます。
その楽玉成さんは次のように述べたのです。
「世界の変化、時代の変化、歴史の変化はかつてない形で展開されており、世界は新たな激動の時代に突入した。
本来であれば、もうすぐ春節なので、新年に向けて良いムードを持ってもらうために、少し前向きな良いニュースを話したいところだ。
しかし、国際情勢を見る限り、あまりいいニュースはない。
シートベルトを締めてください。この先には気流があります」
楽玉成さんは「いいニュースはない」とした上で、「シートベルトをお締めください」と、乱気流に襲われることを覚悟しているキャプテンのような言葉を口にしました。
もっとも、その乱気流は「中国以外が起こしている」という認識です。こう述べているのです。
「(前略)世界経済の回復は困難かつ困難であり、状況を楽観できない。
一部の大国が変わらぬ体質を持ち、国内の危機を世界に転嫁している。
中国は政治的安定を維持し、世界に前向きなエネルギーと確実性で貢献している。
出席者全員の軟着陸とそれぞれの目的地へのスムーズな到着を祈る」
国内の危機を世界に転嫁しているのは「中国」ではないか、と思わされますし、「中国が世界に前向きなエネルギーと確実性で貢献している」かどうかも大いに疑問です。
こうでも言わないと仕方ないのでしょう。しかし、中国が飛ぶ先に乱気流が待っているのは確かです。いや、すでに乱気流の中だと考えた方がいいでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)