中国は、新型コロナウイルスのアウトブレイク(パンデミックに近くなっていますが)によって、春節明けの金融市場再開を02月03日(月)に延期しました。明日再開されるわけですが、巷間「03日には人民元(オンショア)※が暴落する」といわれています。
確かに大幅に安値方向に動くのが当然という環境ではありますが、どうなるかは蓋を開けてみないと分かりません。というのは、「人民元(オンショア)」のレートは中国人民銀行が毎朝「基準値」を発表し、その上下2%以内で変動することになっているからです。
Money1では何度もご紹介していますが、中国こそ完全な為替操作国で中国人民銀行(中国政府から完全に独立しているわけではないので、中国政府といってもいい)の意向によってレートを自分の都合でコントロールしていやがるのです。
02月03日の中国政府の出方について二つの考え方があります。
1.暴落までいくとドル建て債務の返済、エネルギー輸入などに大きな影響があるので、ある程度の下落は仕方ないにしても基準値を抑える。
2.人民元安になると合衆国に課せられた追加関税を相殺できるなどの効果があるので、これ幸いと大きく通貨安方向に誘導する。合衆国との貿易協定で「通貨切り下げを控える」と合意したのでうかつなことはできなくなったが、新型コロナウイルスの影響なら仕方がないだろうと言い訳もできる。
危機時にはドルと連動して相場を固定するなど、中国は経済環境によって相場を操作してきました。今回の新型コロナ相場にはどう対応するのかが注目されています。
※人民元には「オンショア」と「オフショア」があります。オンショアの人民元は「CNY」の略称で中国本土で取引。オフショアの人民元は「CNH」の略称で香港で取引。
(柏ケミカル@dcp)
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