2024年04月26日、中国山西省運城市で「問界(AITO)M7」という電気自動車が衝突事故を起こして炎上、乗車していた3人が死亡するという痛ましい事故がありました。
本件が中国では大変注目されています。理由はこの車種の素性にあります。
↑この事故を報じるYouTube『TVBSニュース』チャンネルの動画。後半はイーロン・マスクが訪中して李強首相と会ったという話なので関係ないです。
『Seres(賽力斯)』という会社が製造していますが、『ファーウェイ』が自動車の制御システムなどを担当しているからです。
例えばM7のインフォメントシステムはハーモニーOSによって制御されている、とホームページ上で紹介されています。同車種は自動運転レベル2+に値する先進運転支援システムに対応――となっています。
クルマの不具合、システムの不備が3名を死に至らしめたのではないのか?――という疑念が提起されており、そのためにこの事故が注目されているのです。『浙江日报』の報道によると、
・衝突事故を起こして車体前部が突如炎上
・エアバックが展開しなかった
・救助隊が後部ドアを開けることができなかった
となっています。そもそもM7には、AEB(自動緊急ブレーキシステム)が搭載されている――はずです。これは作動しなかったのでしょうか。
まだ結論は出ていませんが、2024年04月28日18:20時点で、ブランド「AITO」が事故調査のためのスタッフを配置したこと、事故を起こしたM7は衝突事故を起こしたとき時速115kmに達していたこと、またクルマはインテリジェント運転支援システムを搭載しないエントリーモデルだったこと――が報道されています。
さらにバッテリーパックが自然発火したわけではない――としていますので、なぜ火事が発生したのかは調査結果を待たないと不明です。
よく分からないのは「自動緊急ブレーキシステムは時速4~85キロで動作するので、クルマが時速115kmで走っていたので動かなかった」という説明が出ていることです。
「いや、何kmだろうが衝突しそうなことを感知したら止めろよ」ではないでしょうか。どういうフェールセーフシステムになっているのでしょうか。
この事故は、中国のIT屋『ファーウェイ』が電気自動車のシステムに関与し、自画自賛してきた案件ですので、大いに注目すべきです。
(吉田ハンチング@dcp)