中国政府の債務は77.8兆元。ホントに?

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面白いデータが出ています。『全国人民代表大会』公式サイトで「2024年09月10日、第14期全国人民代表大会常務委員会第11回会議にて」という文書が公表されました。

「2023年時点の中国政府の債務管理状況」を報告しています。

1. わが国の政府債務の基本状況
2023年末時点で、全国の政府法定債務残高は70兆7,700億元です。

そのうち、国債の残高は30兆0300億元、地方政府法定債務残高は40兆7,400億元です。

(1)国債の状況
-債務規模から見ると:2023年には、全国人民代表大会の承認を受けた国債の限度額は30兆8,600億元です。

年末の国債残高は30兆300億元で、全国人民代表大会が承認した限度内に収められています。

そのうち、国内債務の残高は29兆7000億元外債の残高は3,346億元です。

-発行状況から見ると:
2023年には、国債を総額11兆1,400億元発行しました。

そのうち、中央財政の赤字補填に4兆1,600億元、前年に発行され2023年に満期を迎えた国債の元本返済に5兆2,200億元、年内に発行され満期を迎える短期国債に1兆7,600億元が充てられました。

国内債務の発行額は11兆900億元で、その内訳は、記帳式国債が10兆8,100億元、貯蓄国債が2,746億元です。

外債の発行額は555億元で、その内訳は、海外主権債券が547億元、外国政府や国際金融機関からの借款が8億元です。

-元本と利息の返済状況から見ると:
2023年、財政部は国債資金の予算管理を一層強化し、国債返済計画を慎重に策定、返済メカニズムの最適化を継続し、国債の返済が万全に行われるよう確保し、中央政府の信用と投資家の利益をしっかり守りました。

(2)地方政府法定債務の状況

-債務規模から見ると:
2023年、全国人民代表大会の承認を受けた地方政府債務の限度額は42兆1,700億元です。

その内訳は、一般債務の限度額が16兆5,500億元、特別債務の限度額が25兆6,200億元です。

年末時点での地方政府債務残高は40兆7,400億元で、その内訳は、一般債務の残高が15兆8,700億元、特別債務の残高が24兆8,700億元で、いずれも全国人民代表大会が承認した限度内に収められています。

-発行状況から見ると:
2023年には、31の省(自治区・直轄市)、5つの計画単列市、そして新疆生産建設兵団が合計で新規の地方政府債券を4兆6,600億元発行しました。

その内訳は、新規一般債券が7,016億元、新規特別債券が3兆9,600億元です。

また、再融資債券を4兆6,800億元発行しました。2023年の合計で地方政府債券は9兆3,400億元発行されています。

-元本と利息の返済状況から見ると:
地方政府法定債務の元本返済と利息の支払いには、明確な政策と予算の手配がなされています。

元本の一部は再融資債券の発行で手当てし、残りは財政資金やプロジェクトの特別収入で返済します。

財政部は、各地域で発行される再融資債券の規模の上限を制度に従って監督しています。利息は財政資金で返済します。

-投資分野から見ると:
地方政府債券は主に公益性の高いインフラ整備、都市施設、保障性住宅、交通インフラ建設、社会事業などの分野に投資されており、政府投資の誘発効果を積極的に発揮し、地方の経済社会発展を支えています。
(後略)

⇒参照・引用元:『全国人民代表大会』公式サイト「国务院关于2023年度政府债务管理情况的报告」

中央政府の発行した国債による債務残高:30.03兆元
地方政府の債務残高:40.74兆元
小計:債務残高70.77兆元

今回の公表の主旨は、国債の発行制限も守っているし、中国では政府債務が規律をもって管理されている――です。

中央政府の債務でご注目いただきたいのは、国債残高は30兆300億元で、

国内債務の残高:29兆7,000億元
外債の残高:3,346億元

となっている点です。つまり、外国に返済しなければならない債務は、30.03兆ウォンのうち3,346億元しかありません。わずか1.11%です。

普通なら「これならデフォルト騒動は起こさないだろう」なのですが、まず本当に対外債務はこれだけしかないのか?という疑問があります。もう一つは、この統計は本当に正しいのか?という疑問です。

つらつら述べていることは「大丈夫だあ」なのですが、「地方政府の債務」について中国政府がしらばっくれている点があります。

地方政府の隠れ負債といわれる「地方融資平台」分が含まれていません。

中国『地方融資平台』債務66兆元。この崩壊で最後の柱が折れる
中国経済がいよいよ危なくなっており「ココが崩れたらおしまい」といわれているのが、「地方融資平台」の債務問題です。先日、「中央政府が地方融資平台に債券発行を許可する」というニュースが出ました。これは「いよいよ中国の地方債務問題が危ない」と示す...

この地方融資平台の債務はいったい幾らになっているのか正確なデータは分かりません。

Money1でもご紹介したことがありますが、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)は、地方融資平台の債務が直近5年間でほぼ2倍に増え、約66兆元(約1,326.6兆円)に達したと推計しています(2023年時点の推計)。

「中国は大丈夫」と言いたいのでしょうが、それを額面どおり受け取る人がいるのでしょうか。。

(吉田ハンチング@dcp)

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