韓国「建設業」が前代未聞の絶不調。1年間「BSIが60を超えない」大不況

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今に始まったことではありませんので、ことさら言い立てても仕方ない――ではあります。しかし、絶不調にもほどがあります。

韓国の景気はどん底で回復の兆しがまだ見えません。ご紹介してきたとおり、不動産市場に関連する「建設業の不振」が大きな要因となっています。

Money1でも韓国の建設業がいかに不振かをご紹介してきましたが、2024年は特に大変な落ち込みようでした。それを確認してみましょう。

韓国ではBSI(企業景況指数)のデータが『KOSIS』というシステムの中で閲覧可能です。

BSI(Business Survey Indexの略)は、企業の景況感(ビジネスの状況)を数値化した指標です。普通は「50」が中位線(基準線)で、それより数字が大きければ景気が良い、小さければ景気が悪い――と判断されます。

韓国は中位線「基準線」が「100」になっていますが、見方としては。

100より上なら:景況感が「良い」と判断
100未満なら:景況感が「悪い」と判断

となります。2017年01月から2025年01月までの「建設業におけるBSI」をグラフ化すると、以下のようになります。

2025年01月の建設業のBSIは驚くなかれ、わずか「54」しかありません。

基準線の100から46ポイントも低いのです。

また、上掲のとおり2024年は一度も「60」ですら超えられませんでした。

韓国の建設業がいかに不振を極めているか一目瞭然です。

建設業が以下に最悪の状況に陥っているかを示す、他の数字もあります。例えば、2024年の日雇い労働者の就業者数は92万人となり、前年比で「12万2,000人」も減少しました。

この日雇い労働者数が90万人台まで下がったのは、実に1967年(94万3,000人)以来のこと。57年ぶりです。

また、2024年の建設業就業者数は206万5,000人で前年比4万9,000人減少しました。

2013年に関連統計が作成されて以来、これほど建設業関連就業者数が減ったことはないのです。

韓国メディアは統計庁関係のコメントを取っており、「2024年は、建設生産があまりにも低調だった影響があり、建設業就業者数が大幅に減少し、建設業の特性上、日雇い労働者を雇用する場合が多いため、日雇い労働者の人数にも悪影響を及ぼした」と話した――とのこと。

というわけで、建設業は「超」がつくほどの絶不調です。

またこの先、建設業が回復するという見通しも立ちません。ですので、韓国の景気が回復するというのも考えにくいのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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