韓国は潜在成長率がどんどん下がっており、これは『韓国銀行』自身が出している分析データからも明らかです。
潜在成長率とは――、
「労働力・資本・生産性を活用して、インフレ(物価上昇)を誘発することなく、最大限に達成できる経済成長率の見通し」
――をいいます。
潜在成長率が下がるということは、経済が「持続可能な成長を遂げる能力」が低下していることを意味します。
以下が『韓国銀行』の「BOKイシューノート」[第2024-33号]からの引用で、紫色の線が韓国の潜在成長率の推移です。
上掲のとおり、右肩下がりですね。
これから韓国は人口の減少によって労働力が減少し、貿易依存国からの脱却ができないまま中国に技術力で追いつかれて儲けが減りますので――つまりは投入できる資本も減ります。
つまり、潜在成長率を支える3つの柱のうち「生産性」しか期待できるものがありません。
しかし韓国は生産性の高い国ではありません。理由の一つは労使対立が激しすぎることです。
前置きが長すぎましたが――今回はこの生産性にブレーキをかけるようなことがまた起こっているという話です。
『韓国GM』です。
韓国なんかにいてもロクなことはない
『韓国GM』は、社名のとおりアメリカ合衆国『GM』が韓国につくった企業です。2025年05月29日から『韓国GM』の労使は賃金交渉を始めました。
労働組合側は、
・基本給14万1,300ウォンの引き上げ
・当期純利益の15%を成果給として支給
・通常の賃金の500%の奨励金支給
etc.
――を要求しています。
この全ての要求を入れると、1人当たりの平均「成果給 + 奨励金」は計「6,300万ウォン」に達する――と計算されています。
労組側が強気なのは、『韓国GM』が2024年度に1兆3,673億ウォンの営業利益を上げたためです。しかし経営側は、例のトランプ関税があるため、先行きが不透明として、慎重な姿勢を続けています。
『韓国GM』の労使間には緊張感があります。
Money1でもご紹介したことがありますが、『韓国GM』の社長を務めていたKaher Kazem(カハー・カゼム)社長は「誰が韓国でCEOなんかやりたがるか!」と述べたことがあります。
これは、2018年韓国GM非正規職労働組合から「労働者違法派遣容疑」で告訴され、3回も出国禁止となり、韓国に監禁状態になったことがあるがためです。
また労働組合の暴力的な闘争に見舞われたためでもあります。
↑2018年02月、『韓国GM』本社の社長室に乱入した労働組合院が椅子を投げつける様子/監視カメラに捉えられていました。
先のカゼム社長の言葉は全く正しくて、韓国なんかで社長などやるべきではありません。合衆国『GM』では誰も韓国には行きたがらない――という話すらあるのです。

『GM』本社は『韓国GM』をただの下請け生産工場として扱うようになっています。
2025年05月28日には、全国9カ所の直営サービスセンターおよび富平工場の遊休資産を売却すると発表しました。
もっとも、労働組合側は「撤退をほのめかして労使交渉を有利に進めようとしている」と考えている――とのこと。
また、06月11日には、全国金属労組・韓国GM支部長のアン・ギュベクさんに解雇通知が行われています。
これがまた傑作な話で――このアン支部長は2020年、『韓国GM』が労組との協議なしに富平工場の生産台数を増やした際に抗議し、役員室の備品を破損しました。
こういう暴力を振るうのが韓国の労働組合なのです。
アンさんは、当然ながら懲戒処分を受けたのですが、懲戒を不服として訴訟を起こしたのです。しかし、2025年02月に敗訴が確定。
『韓国GM』は、この暴力的な労働組合員をやっと解雇できた――というわけです。
労働組合は、会社側に圧力を加えるため、2025年06月10日から執行部が世を徹しての座り込みを開始。17日には富平工場で組合員全体の争議大会を開催する予定です。
世にもあほらしい話で、このような暴力的かつ自身の利益ばかりを要求する労働組合が手ぐすね引いて待っていますので、韓国なんかには進出しない方がマシです。
(吉田ハンチング@dcp)