小ネタかもしれませんが、土曜日ですので読み物的な記事をひとつ。北朝鮮で作られた教科書がとんでもない――という話です。
『朝日新聞』記者の牧野愛博先生が、自身の著書で紹介されているので、以下に引きます。
(前略)
私は17年、北朝鮮の教育用タブレットPCを入手した。義務教育の現場で実際に使われているものだ。
収録されている教科書からは、歴代の最高指導者への忠誠心と、米国に対する敵対心を子どもたちが持つように仕向ける教育政策が浮かび上がった。
かつて北朝鮮で教師をしていた脱北者の金承順
さん(45=仮名)と共に読み解いた。(中略)
タブレットPCに収められた他の教科書には、北朝鮮が「宿敵」とする米国への敵対心をあおる表現が目立つ。
小学校2年の算数の教科書にはこんな問題があった。
「祖国解放戦争(朝鮮戦争)で人民軍のおじさんたちが最初の戦闘で米帝の山犬野郎どもを265匹殺し、2度目の戦闘で最初より70匹多く殺しました。
2番目の戦闘では何匹殺し、全体で何匹殺しましたか」。
また、初級中学校1年の技術の教科書は木製の模造拳銃の作り方を22ページにわたって紹介。
高級中学校2年の物理の教科書は発射した砲弾の軌道を説明している。
(後略)⇒参照・引用元:『金正恩と金与正』著:牧野愛博,文春新書,2021年07月05日 第2刷発行,pp206-208
いくらアメリカ合衆国と敵対しているとはいえ「米帝の山犬野郎どもを265匹……」とか、いくらなんでも無茶苦茶です。
しかも、牧野先生は2017年にタブレットPCを入手とされていますので、つい最近の話です。
中学校1年生の技術の教科書に「木製の模造拳銃の作り方が書いてある」とかも凄いと呆れるしかありません。うちの編集長が「腹腹時計か!」と突っ込んでいたので、「何ですかそれ」と聞いたら、「若い衆は教養がないのう」と言われました。
このような教育を受けた小学生・中学生がまともに育つものなのでしょうか。
日本人は、おっかしな国が近所にあることを忘れてはなりません。
(吉田ハンチング@dcp)