韓国の政府・企業・家計、3部門の負債合計はいくらになるのか?と読者の方から質問が来ましたのでご紹介します。
『BIS』(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)が2023年第2四半期までの「非金融セクターのクレジット」についてのデータを公開しています。これを見るといいですね。以下です。
⇒データ出典:『BIS』「非金融セクターへの信用」
2023年第2四半期時点
韓国非金融セクター:約5,957.0兆ウォン
(ドル建てでは「4兆5,079.2億ドル」)
韓国非金融セクター:約5,957.0兆ウォン
(ドル建てでは「4兆5,079.2億ドル」)
上掲の数字は、対GDP比では「273.1%」になります。内訳は以下のとおりです。
政府負債:7,834.0億ドル(対GDP比:47.5%)
企業負債:2兆457.8億ドル(対GDP比:101.7%)
家計負債:1兆6,787.4億ドル(対GDP比:123.9%)
小計:4兆5,079.2億ドル(対GDP比:273.1%)
企業負債:2兆457.8億ドル(対GDP比:101.7%)
家計負債:1兆6,787.4億ドル(対GDP比:123.9%)
小計:4兆5,079.2億ドル(対GDP比:273.1%)
ウォンで約6,000兆ウォン、ドル建てでは約4.5兆ドルというのが韓国政府・企業・家計の負債合計となります。
対GDP負債比率は2.7倍ですが、3倍に近づいています。
――といっても、先からMoney1でもご紹介していたとおりで、今になって慌てる話ではありません。予測された数字が達成されるだけです。
韓国だけが負債を増やした?
面白いのは、韓国メディア『東亜日報』が、「経済協力開発機構(OECD)の主要加盟国のうち、韓国だけが今年第2四半期(4~6月)、国内総生産(GDP)に比べ総負債比率が低下して、負債管理に赤い火が点灯した」と書いていることです。
ただし、これは正しくありません。
例えばG7と韓国のデータを拾ってみると、以下のようになります。
対前期比での対GDP負債比率の増減
韓国:+4.9%
アメリカ合衆国:-10.1%
イギリス:-25.1%
ドイツ:-2.8%
フランス:-16.8%
日本:-4.9%
イタリア:+1.0%
カナダ:-2.8%
韓国:+4.9%
アメリカ合衆国:-10.1%
イギリス:-25.1%
ドイツ:-2.8%
フランス:-16.8%
日本:-4.9%
イタリア:+1.0%
カナダ:-2.8%
韓国は対GDP負債比率を4.9%増やしていますが、実はイタリアも「+1.0%」なのです。
韓国メディアはイタリアを主要国と見ていないのではないでしょうか。「自称G8」なので無理はないかもしれませんが……。
(吉田ハンチング@dcp)