韓国政府「単品」は危険だが『韓国銀行』も足して「対外純債権2,585億ドル」

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2025年11月20日、『韓国銀行』が2025年第3四半期の「International Investment Position」(対外資産負債残高:略称「IIP」)を公開しました。

フローである国際収支統計と違って、これはストックの統計です。

まず対外資産と対外負債です。

対外資産:2兆7,976億ドル
対外負債:1兆7,414億ドル
対外純資産:1兆562億ドル

対外債権:1兆1,199億ドル
対外債務:7,381億ドル
対外純債権:3,818億ドル

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2025年第3四半期国際投資対照表(暫定)」

対外純資産をグラフにしたのが以下になります。

2007年第3四半期には「対外純資産:2,160億ドル」しかなかったのですが、今回発表の2025年第3四半期では「1兆562億ドル」まで増加しました。

つまり対外純資産は18年かけて約4.9倍に増えたわけです。ずいぶん遠くにきたもんだ……です。

そして、こちらの方が大事ですが、対外純債権の推移をグラフ化すると以下のようになります。

2008年第4四半期の「対外純債権:277億ドル」でしたが、2025年第3四半期は「3,818億ドル」。つまり、約13.8倍に増加しています。

これは、なかなか大したものです。

対外債権は「韓国が外国から取り立てることができる金額」、対外債務は「外国が韓国から取り立てられる金額」なので、「対外債権 – 対外債務」がプラスであるということは、韓国にとっては良きことです。

面白いのは、いつも対外債権・対外債務の中身です。

ずいぶん前にご紹介したことがありますけれども、直近のデータで確認してみましょう。

General Government(一般政府)は――、

対外債権:628億ドル
対外債務:1,996億ドル
対外純債権(債権 – 債務):-1,368億ドル

韓国政府は「外国からとりたてられる金額の方が多く、しかも1,368億ドルもある」のです。

これだけ見ると「大丈夫なの?」なのですが、政府と中央銀行(『韓国銀行』)をを一体として見ると、風景が変わります。

対外債権
一般政府:628億ドル
中央銀行:4,222億ドル
小計:4,850億ドル

対外債務
一般政府:1,996億ドル
中央銀行:269億ドル
小計:2,265億ドル

対外純債権:2,585億ドル

韓国政府と中央銀行が一体としてみれば、赤黒が反転してプラスに転じ「2,585億ドル」の純債権国となる――わけです。

問題はこれからだ

対外純債権「2,585億ドル」は立派かもしれませんが、問題は「これから」です。

Money1でもご紹介してきたとおり、アメリカ合衆国・トランプ大統領のカツアゲによって、韓国は対米投資を2,000億ドル行わなければなりません。

年間200億ドルを上限としてますが、これには外貨準備高の運用益を充てるつもりです。先に計算したように年間200億ドルは恐らくかつかつで、拠出すると外貨準備高が増えない――という事態に陥る可能性があります。

一方、韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんは、政府支出を拡大し続けており、(よせばいいのに)対外負債を増加させる方向です。

――ということは、200億ドル × 10年なんて計算をしているようですが、10年後の韓国は「対外純債権」は潤沢をいえる国であり続けているでしょうか。

もっとも、危なくなってきたら「対米投資の協約」など放り投げることになるでしょうが。

(吉田ハンチング@dcp)

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