韓国の企業は資金難に直面し、韓国経済の「四月危機」がまさに現実のものとなっています。
Money1では何度もご紹介してきましたが、発火点というか火薬庫なのは巨額の「社債」です。社債とは、企業が資金調達のために発行する債券で、当然ですが期日が来たら償還しなければなりません。
「償還」というのは元本を返すことです。
簡単にいうと、社債を発行して投資家から500万円のお金を入れてもらったら、定期的に利子を払い、期限が来たら元本の500万円を返却します。この償還をもって取引は完了です。
しかし、韓国企業の多くが今回の新型コロロウイルス騒動で経営が傾き、この償還ができない状況になっています。借金が返せないわけです。
通常ならロールオーバー(借り換え)で逃げたりします。つまり、CP(コマーシャル・ペーパー)を発行するなど新しい借金をして古い借金を返却してしまうわけです。借金の繰り延べに過ぎませんが、一時的であればこれで資金難を回避できます。
ところが、機関投資家が投資をしようなどという環境ではないため、新しい借金ができないのです。CPを発行しても買ってもらえません。そのため、社債の償還ができない(かも)という状況になっており、つまりこれはデフォルト(債務不履行)の危機というわけです。
問題は、韓国企業がどれほどの社債を抱えているかです。
韓国企業500社が2020年に満期を迎える社債の金額規模を集計したデータが韓国メディア『毎日経済』に出ました。以下に引用します。
新型コロナウイルス感染症(コロナ19)で資金難が現実化する兆しを見せる中、今年の残りの期間で満期が到来する国内500大企業の社債規模が37兆4,600億ウォンに達することが分かった。
このうち40%水準である14兆7,545億ウォンは第2四半期に償還しなければならない。
(中略)
また、年内満期となる社債のうち39.4%(14兆7,545億ウォン)は6月末までに返済する必要があり、12兆3,146億ウォンは第3四半期に、10兆3,916億ウォンは第4四半期に返済しなければならない。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「500企業、第2四半期の満期到来の社債15兆ウォンに迫る」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
この新型コロナウイルス騒動で、景気は悪化しており、これから実体経済悪化の状況が刻々明らかになるでしょう。その中、上記に計算された借金を返却することは可能でしょうか。これは今まさにそこにある危機なのです。
(柏ケミカル@dcp)