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南朝鮮「ロールオーバー不能」がもたらすもの

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2019年09月28日、中央日報で韓国企業「ハンファケミカル」が日本での200億円サムライ債の起債を断念したという報道がありました。これは非常に重要なニュースです。

というのは、韓国企業によるロールオーバー、いわゆる「借り換え」の先行きが怪しくなった、と考えられるからです。

ロールオーバーは企業がよくやる手で、借金の返済期日が来る前に新たな借金をして、古い借金を返してしまうのです。これによって借金の繰り延べが行え、企業は借金の返済による「現金がなくなる」のを避けることができます。

簡単にいえばこれは「借金で借金を返す」という、まあ自転車操業のようなものです。

しかし、多くの企業がロールオーバーを行うのは「借金の繰り延べができて、現金が減らない(減りにくい)」のが魅力的だからです。ただ、ロールオーバーを繰り返していると、借金をしているという意識がなくなってしまいます。

恐ろしいのは不況とロールオーバー不能という事態です。

不況が訪れて本業がうまくいかなくなり、キャッシュが苦しくなってきたときに、それを見た金融機関がこれはまずいとロールオーバーを承認しなければどうなるでしょうか? キャッシュがなくなった時点でドボンですね。

韓国企業のロールオーバーはこれからも可能か

韓国企業の業績はこれからも悪くなることが予測されます。何度もご紹介していますが、韓国政府の機関「統計庁」自身、韓国の景気循環の中で直近の山(好景気のピーク)は2017年09月であって、そこから現在まで景気後退が続いていると認めています。

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ですから、韓国企業の資金、具体的にいえば「現金」が少なくなり、手元不如意になることが予測されます。そこで、ロールオーバーが行えなくなったらどうなるでしょうか?

報道されたハンファケミカルのケースは、金融機関が韓国に対するロールオーバー、資金調達の手段を提供しなくなってきた、また機関投資家が韓国企業の発行する債券を購入しなくなってきたことの表れと捉えることができるわけです。

これはその傍証になるのですが、日本銀行が公表しているBIS(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)国際資金取引統計および国際与信統計によると、2019年06月末までで、韓国の与信残高は対前期比で12億ドル減っています。

⇒データ引用元:『日本銀行』「BIS国際資金取引統計および国際与信統計の特徴点」
http://www.boj.or.jp/statistics/bis/ibs/data/hqibs.pdf

与信というのは「信用を与えること」。いつもニコニコ現金取引なら別ですが、例えば商品を出荷して代金を回収するまでは、相手に信用を与えていることになりますね。お金を貸す、債券の発行などなど債権(裏返しは債務)が生じることは、全て「与信」です。

与信残高の減少は、つまり「日本が韓国に信用を与えなくなってきた」ことを意味しているのです。

進行中の事態は1997年の危機に似てきた

ここで、「韓国の公表されている外貨準備がウソだった」ことを暴露したアラン・グリーンスパンさんの著作の一節を思い出してください。グリーンスパンさんは、以下のように述べています。

<<引用 ここから>>

(前略)日本銀行の幹部からの電話で、つぎは韓国経済が崩壊しかねないと警告してからだ。「ダムが決壊しかかっている」と日銀幹部は語り、日本の銀行が韓国への信認を失って、数百億ドルの融資の更新を拒否しようとしていると説明した。

⇒引用元:アラン・グリーンスパン『波乱の時代 -わが半生とFRB- 上』(日本経済出版社)p.274

<<引用 ここまで>>

日本銀行の幹部はまだFRBに電話をかけたりしていないでしょうが、現在進行している事態は、まさにここに書かれているとおりです。韓国の信認が失われ、ロールオーバーが難しくなりつつあるわけです。もちろん、報道されたのはハンファケミカルという一企業の200億円のロールオーバーについてだけです。

日銀の上記資料によれば、日本は韓国に対して295億ドル(約3兆1,528億円)もの与信残高※を保有しています。そのうち1年以内のものは111億ドル(約1兆1,884億円)に達します。

⇒データ引用元:『日本銀行』「BIS国際資金取引統計および国際与信統計の日本分集計結果」
http://www.boj.or.jp/statistics/bis/ibs/index.htm/

これと比べれば、200億円などは微々たるものかもしれません。しかし、日本の金融機関が一斉にロールオーバーの拒否、融資の拒否に走ったら?

ハンファケミカルは、サムライ債の起債が不能になったので、新しくドル建ての債券の発行を模索している、とのこと。これがただの始まりに過ぎなかったら、一企業のロールオーバー不能(困難)では話は済みません。

韓国にとって「容易ならざる状況」が始まっているのではないでしょうか。


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(柏ケミカル@dcp)

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