タイムリーに取り上げ損なったのですが、韓国メディア『毎日経済』に『ソウル大学』日本研究所の所長である南基正(ナム・キジョン)教授にインタビューした記事の第2弾が出ています。
下掲記事でご紹介したとおり、この南教授は「韓国が国際法違反をしたわけではない。日本も行っている」「韓国は自分たちの力だけでも近代化できた」と強弁する方です。
つまり事実を直視できず、そうあってほしい歴史を「あった」と言い張る、韓国によくあるタイプ。しかるに日本研究所の所長です。
同記事はとても長いですし、また全文引用するわけにはいきませんので、非常に興味深い箇所を以下に引きます。記事では、質問に対して教授が答えるというスタイルになっています。
(前略)
Q.今の日本は信頼できる国ですか?A:
「韓国がどうするかにかかっています。日本との関係について積極的に関与していかなければなりません。ただし、現在、日本が向かおうとしているのも危険な方向であるということもよく考えて対処しなければならない、と強調したいと思います。
今の日本が「金大中-小渕共同宣言くらいの日本」だとしたら、まだ危険ではない国ですが、それを確認することは韓国がしなければならない役割だと思います。
金大中(キム・デジュン)-小渕共同宣言は非常に重要な文書です。
現在の日韓関係を規定する基本文書であるのは明らかです。
ところで、この文書がどんな文書なのかということを私たちはもっとよく読まなければならないと思います。
この宣言は要するに、平和で安定した繁栄する国際秩序構築のために両国が緊密に協力するという内容の文書です。
緊密に協力するためには懸案を解決しなければならず、その懸案の解決というのは、日本が過去を直視し、韓国が未来志向的に両国関係を運営する時に可能ということです。
宣言文を見ると、小渕首相は韓国が民主主義の発展のために要した努力を評価すると言いました。
金大中(キム・デジュン)大統領は、戦後日本が専守防衛と非核3原則を堅持し、平和憲法の下で東アジアの平和に寄与したことを高く評価すると述べた。
さらに、市場経済と民主主義、東アジアの平和と繁栄の秩序を作るために一緒に努力していくという内容が盛り込まれました。
ところが、日本が果たして過去直視という態度を堅持しているのか?という点で疑問があります。
もう一つの疑問は、日本が本当に非核3原則と専守防衛という原則を堅持しているか? 平和憲法を堅持する覚悟を持っているか?について疑問が提起されているということです。
金大中-小渕共同宣言に基づいて日韓関係を調整していくと、日本は信頼できる相手になるのです。
ところが、過去の直視と平和憲法という二つの点で、まだ日本の立場を正確に確認できないということです。
そのため、この点で日本の立場を確認しなければならないというのが、今、韓国の対日本外交の基本課題だと思います」
(後略)
韓国政府がなぜ金-小渕宣言をやたらに引き合いに出すのかが、この南教授の発言からも分かります。端的にいえば「韓国の甘えを許す、あの当時の日本に戻ってほしい」からです。
そのため、日本は「金-小渕宣言に立ち返る」などと言うべできはありません。韓国に間違ったメッセージを送ることになります。日本は贖罪意識や韓国への甘やかしによってかえって二国間関係を危うくしてきたのです。
日本人も韓国がどのように国で、韓国の皆さんがどのような考えを持っているのか1945年から2023年の今までかかって十二分に理解したはずです。現在は戦後最悪の日韓関係ではありません。
日本人が韓国をどのように扱うべきかを理解したという意味で、むしろ最良の日韓関係です。
ただ、南教授の「日本を信用できるかは韓国にかかっている」という言葉は正しいでしょう。「韓国が国際法を破った」「韓国は日本のおかげで近代化できた」と、韓国が歴史を直視すれば、「日本を信頼できるようになる」はずだからです。
(吉田ハンチング@dcp)