この経済の危機的状況にも関わらず、韓国では時ならぬ株式投資ブームが起こっています。Money1でも何度かご紹介しましたが、この株式投資ブームの主役は個人投資家です。
しかも将来成長しそうな企業に投資するのではなく、『サムスン電子』や『SKハイニックス』といった業績の堅そうな大企業の株式にお金を突っ込んでいるのです。
「韓国が滅ぶようなことでもない限り大丈夫」という心理が根底にあり、新型コロナウイルス騒動で下がった今がチャンスと踏んでいるのです。
これはまあ分からないでもありません。アメリカ合衆国、日本でもそのような投資家は少なくないでしょう。
2020年05月05日『ソウル経済』に「135万『サムスンアリ』第1四半期の配当18万ウォンずつ受ける」という記事が出ました。その中に面白いデータがあるので引用します。
『サムスン電子』の株式に投資を行った個人株主は2020年03月末時点で135万7,033人
個人投資家が保有する株式総数は7億5,449万株
(平均すると株主一人当り520株を保有)
韓国の人口はおよそ5,100万人ですから、韓国人の38人に一人は『サムスン電子』の株式を保有していることになるのです。まさに国民的投資先といえるでしょう。
問題は次のデータです。
今年、同社の株式に投資した投資家の平均取得単価は「5万2,000ウォン」
以下のチャートを見てください(チャートは『Investing.com』より引用)。
水色の水平線が「5万2,000ウォン」です。
新型コロナウイルス騒動によって『サムスン電子』の株価も大きく下がりました。回復はしているのですが、05月07日の終値で「4万8,800ウォン」と国民的投資先の割には上昇しません。
平均取得単価が「5万2,000ウォン」ですから、今年になってから同社の株式にお金を突っ込んだ人の大部分は「損を抱えた状態」と考えられるのです。恐らく投資家の皆さんはじりじりしながら上昇を待っているでしょう。
さて、この個人投資家の思いはいつ報われることになるでしょうか。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「135万『サムスンアリ』第1四半期の配当18万ウォンずつ受け取る」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
(柏ケミカル@dcp)