これまでにご紹介してきましたが、新型コロナウイルス騒動で経済が危機的状態にあるため、韓国政府は多くの支援策を打ち出しています。この支援策に必要なお金はその大部分が政府の借金によって賄(まかな)われるため、財政赤字状態となっており、その額は「55兆ウォン」に達しました。
その上、景気の急速な悪化によって「税収が不足する」という事態にも見舞われています。
2020年05月08日の『ソウル経済』の記事から以下に引用します。
企業業績の悪化に法人税税収が直撃弾を受け、国税収入に赤信号が灯った。
輸出は縮小しているのに、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)に対応するための過剰な拡張財政に加え、財政の早期執行をしながら管理財政収支の赤字は55兆ウォンで、歴代最悪を記録した。
国庫はこのように深刻な状況なのに、政府はこれから景気回復のための「ゴールデンタイム」とし、本格的に金を使う準備をしている。
6月の初めに発表予定の第3次補正予算案など、財政投入が追加で行われれば、財政状態はさらに悪化する見通しだ。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「第1四半期の税収8.5兆急減… 財政収支もすでに55兆の赤字」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
「管理財政収支」というのは、同記事では「統合財政収支(総収入 – 総支出)から国民年金などの社会保障基金を除いたもの。国の経済状態を示す実質的な指標」と説明しています。
この55兆ウォンの赤字は2020年第1四半期(01-03月)のものですが、同期で比較すると、
2018年:10.5兆ウォンの赤字
2019年:25.2兆ウォンの赤字
2020年:55.3兆ウォンの赤字
と、まさに雪だるま式に赤字が増加しています。
また、上記の財政赤字は「55兆ウォン」どころで済まないと予想されるのです。支援が足らないという財界からの圧力で組んだ第二次補正予算、さらに追加した第三次補正予算まで加味すると「120兆ウォン」まで財政赤字が膨らむのでは、と識者は指摘しています。
その上、税収が減っているのです。同記事によれば第1四半期の税収は、
法人税:-6兆8,000億ウォン
付加価値税:-1兆2,000億ウォン
関税:-3,000億ウォン
その他の税収:-1兆8,000億ウォン
とほとんどの税収が減少。予定どおりの税収がなければ、当然のごとく財政赤字はさらに増加します。
――というわけで韓国政府のお金事情は極めてダメっぽくなっています。
(柏ケミカル@dcp)