文在寅大統領の肝いりでできた韓国の「基幹産業安定基金」。
文大統領は「『40兆ウォン』の基金を作って韓国の基幹産業を救う!」とぶち上げ、05月28日発足にこぎつけたのですが、現在「開店休業」状態となっています(というか店も開いているのか?です)。
また、恐らくまだ1ウォンもありません。
上掲のように『産業銀行』がこの基金用の債券を発行して40兆ウォン集めるという構想だったのですが、「債券を発行した!」「40兆ウォン集まった!」という話は全く聞こえてきませんので。
韓国メディアも怒り心頭「ナニをやっとるんじゃ!」
2020年06月26日、さすがに「なにやってんだ!」という怒りの記事が韓国メディア『朝鮮日報』に出ました。一部を以下に引用します。
コロナ事態に困難を経験する基幹産業を支援するために作られた、40兆ウォン規模の「基幹産業安定基金」が開店休業状態だ。
去る5月28日に発足した後、1カ月が過ぎても資金支援の条件と手続きなどを盛り込んだ詳細運用規定さえ確定しなかった。
当然、資金支援は一銭も行われなかった。
サポート要件が非常に厳しく、お金に急迫している企業からは「絵に描いた餅」という指摘も出ている。
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「遊んでいる『40兆産業安定基金』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
今にも飛びそうな『大韓航空』が支援第1号なんていわれていたのですが、先に国策銀行である『産業銀行』『輸出入銀行』から金融融資と債務の返済猶予などの緊急措置(1.7兆ウォン規模)を受けました。
そのため、まだ非常に危ない状態ながら『基幹産業安定基金』の支援は要請しないという状況です。
支援第2号といわれた『HMM(現代商船)』も『産業銀行』からの支援を受け、第2四半期には大きな借金返済もないことから、同様に支援要請を行っていません。
つまり「お金も集まっていなけりゃ支援をしているわけでもない」という、『朝鮮日報』の記事タイトルどおり「遊んでいる」状況です。
「基幹産業安定基金」は中小企業を助けない
一方で支援を求めている企業はあるのです。
ただ、『基幹産業安定基金』の支援条件が「借入金:5,000億ウォン以上」「従業員:300人以上」というものであるため、困難な状況に陥っている中小企業は「助けてください」と手も上げられないのです。
ヒドイ話もあったものですが、このままいくと『基幹産業安定基金』は「1ウォンもないし、企業に1ウォンも支援しなかった」という前代未聞の基金になる可能性があります。
「なにが韓国の基幹産業を救うだ!」と記事にされても仕方がないでしょう。実際、何もしていないのですから。
(柏ケミカル@dcp)