新型コロナウイルス騒動で、韓国もご多分に漏れず「金融緩和」の大盤振る舞いです。お金をじゃぶじゃぶ突っ込んでいるわけですが、支援の原資が国債発行などの「借金」であるため、韓国メディアでも「大丈夫なのか」と指摘する報道が増えています。
そこでよく「他国と比較して……」といった記述が登場します。ネット上では「日本と比べれば韓国はましだ」なんていわれたりするわけですが、これは残念ながら本当ではありません。
政府の負債はひとまず置いて、家計・企業の負債を見ると「まし」どころか、韓国はひどい状況になっているのが分かります。そして、今回の新型コロナウイルス騒動でさらにひどいことになるのです。
以下は、韓国の人が「死神」と蛇蝎(だかつ)のように嫌う『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)の2019年10月22付けのリポートに掲載されているグラフです。
これは「アジアの幾つかの国で『民間部門』の負債が急増している」ことを示しています。この「幾つかの国」には韓国も入っているのです。
⇒参照・引用元:『IMF』公式サイト「Prolonged Uncertainty Weighs on Asia’s Economy(長引く不確実性がアジア経済を圧迫する)」
https://www.imf.org/en/News/Articles/2019/10/18/na102319-prolonged-uncertainty-weighs-on-asias-economy
家計と企業(非金融)の2つの部門を足した負債(簡単にいえば「借金」)が、対GDP比でどの水準にあるかを示しています。
なぜGDPと比較するかというと、これは至極簡単で「GDP」というのはその国が1年で生み出すことのできる「利益」と考えられるからです。
で、その利益が「借金の金額」と比べて大きければ、「あ、この借金は返せるよね」となるでしょう。ところが、「借金の金額」が「利益」の2倍もあったらどうでしょうか。「2年も働かないと返せないじゃん!」と考えますね。
例えがざっくりで大変恐縮ですが、このようにGDPと比べると、その国の借金が問題ないレベルかどうか、もっといえば「この国にお金を貸しても大丈夫なのか、返してもらえるのか」といったリスクなども測ることができるわけです。
上掲のとおり、韓国は2007年から2018年にかけて急増。合わせて対GDP200%に迫るところまで来ています。これには2019年、新型コロナウイルス騒動で家計・企業・政府の3つで借金を急増させている2020年は入っていません。
つまり、新型コロナウイルス騒動前から韓国という国は借金増加の道をひた走ってきたわけです。
ちなみに日本は2007-2018年にかけて対GDP比でほとんど変わっていません。これはこれでナニやってんだという話ですが、それは置きます。
というわけで、韓国の人は「日本の方が借金が多い」などと他国と比較している場合ではないのです。上掲のとおり、家計・企業部門において対GDP比で見れば、それは間違っていますし。
(柏ケミカル@dcp)